【山口県】下松市で地域クラブ募集開始 中学の部活動地域移行で子どもの選択肢広がるか?

AI要約

中学生が放課後にスポーツや文化活動などに取り組む「部活」が廃止され、「地域クラブ」への移行が進む。

山口県の下松市では部活動を段階的に減らし、地域クラブへの移行を進めている。

地域クラブへの登録要件や活動時間などが具体的に設定され、新たな運営体制が整備される。

【山口県】下松市で地域クラブ募集開始 中学の部活動地域移行で子どもの選択肢広がるか?

 中学生が放課後にスポーツや文化活動などに取り組む「部活」が廃止され、「地域クラブ」での活動に移行しようとしている。

 スポーツ庁と文化庁の「学校部活動および新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」を受け、国や県はまずは休日から移行、いずれ平日も移行する方針。

 一方、山口県の周南地域では周南市と光市が休日・平日を問わず部活動を地域クラブへ全面移行を表明していたが、下松市も全面移行の意向を示した。

 下松市はまず、今年度から段階的に部活の日数を減らす計画を進めている。これまで部活は週5日以内の活動日数だったが、今年4月から平日3日、休日1日の週4日以内に減った。

 市内の実情を踏まえ、まずは休日の活動を2025年度末までを目標に移行し、平日は地域の実情に応じて“できるところから”移行していく。

 同市は1日から、中学生の活動を受け入れる「くだまつ地域クラブ活動」へスポーツ団体のみ登録を開始させた。

 登録の要件は国が通知した「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」に準じて活動していること▽活動時間が平日は2時間以上で休日は3時間程度▽平日と休日ともに週1日以上の休養日があること▽会費は活動の維持運営に必要な範囲で低く設定するなどがある。

 2日の時点で数件の登録団体や希望者からの問い合わせがあり、審査をした後に団体へのヒアリングなどを実施し、正式に登録。登録団体は随時ホームページで紹介される。

 文化系は吹奏楽の楽器の調達や管理の問題など課題を整理し、年内の募集開始を目指している。

 同市は今後、学校や登録団体へヒアリングを重ね、浮き彫りになった課題に一つひとつ丁寧に対応していくという。

 同市地域振興部の河村敬良地域交流課長は「子どもたちの選択肢を増やし、自主的に参加できる機会を作ることが大事」と話し、部活ではできなかった活動の幅の拡大や、持続可能な環境づくりなどを重視。浮き彫りになる課題と向き合いながら、いかにメリットを伸ばすか考えていくと前向きに話す。

 8月11日には剣道と、これまで同市の部活にはなかった弓道の体験会を実施予定。子どもたちの背中を押す機会を積極的に作っていく。