ニッコウキスゲ開花 延焼地は花芽多く 長野県の霧ケ峰高原

AI要約

霧ケ峰高原で夏の到来を告げるニッコウキスゲの開花が始まった。昨年の大規模林野火災による被害を受けた富士見台では、開花状況が良く花芽の数が昨年よりも多いと報告されている。

富士見台の群落と車山肩では7月中旬に最盛期を迎える見込み。昨年焼けた地域でも例年より開花が早く、今年は当たり年として期待が高まっている。

県や地権者らは群生地を保護するためにシカよけの電気柵を設置し、長野県霧ケ峰自然保護センターも開花状況を確認し、花や花芽の数が多いと述べている。

ニッコウキスゲ開花 延焼地は花芽多く 長野県の霧ケ峰高原

 長野県諏訪、茅野両市と下諏訪町にまたがる霧ケ峰高原で、夏の到来を告げるニッコウキスゲの開花が始まった。昨年5月の大規模林野火災によって広範囲が焼けた富士見台(諏訪市)では、27日時点で約4分咲き。延焼地は昨年に続いて開花状況が良く、花芽の数は昨年以上という。富士見台の群落は7月上中旬、車山肩は同中旬ごろに最盛期を迎える見込み。

 富士見台のニッコウキスゲ群生地は、昨年の火災で約4分の3が焼けた。同所でドライブインを経営する木川泉さん(71)は、開花状況を毎日観察。今年は暑さなどの影響で例年より開花が早く、8日に延焼地で5輪の「一番花」を確認したという。

 「今年は当たり年かも。特に延焼地は大地の勢いをすごく感じる」と木川さん。「火災が起きてから2度目のシーズンで心配もしていたが、たくさん咲いてくれてうれしい」と笑顔を見せ、7月の3連休にかけて「多くのお客さんに楽しんでもらえたら」と期待する。

 県や地権者などでは、群生地を囲い込むようにシカよけの電気柵を設置。県霧ケ峰自然保護センター(同市)は「この時期にしては、確かに咲いている花や花芽の数が多い。長く楽しめるのではないか」と見通している。