アカグツの幼魚 展示は世界2例目 串本海中公園、和歌山

AI要約

和歌山県串本町有田の串本海中公園センター水族館でアカグツ属の幼魚の展示が始まった。

幼魚の記録は極めて少なく、展示は世界で2例目である。

幼魚は浮遊する生活を送り、成長すると海底で生息するようになる。

成魚は水深200メートルよりも深い海底に生息し、体色が赤くクツ(ヒキガエル)に似ているためアカグツと名付けられた。

幼魚は風船のような形をし、長い尾びれからクラゲに擬態していると考えられている。

町民が採集した幼魚が展示されており、種の特定には難しさがあるが今後の調査が期待されている。

飼育員は幼魚の珍しさを強調し、展示期間が短いかもしれないと述べている。

アカグツの幼魚 展示は世界2例目 串本海中公園、和歌山

 和歌山県串本町有田の串本海中公園センター水族館で20日、町内で採集されたアカグツ属の幼魚(全長2センチ)の展示を始めた。同館によると、幼魚の記録はきわめて少なく、水族館の展示は静岡県の「幼魚水族館」に次いで世界2例目。

 アンコウなどの仲間で、成魚は水深200メートルよりも深い海底に生息している。名前の由来は、成魚の体色が赤く、クツ(ヒキガエル)のような魚であることから名付けられた。

 幼魚はぷかぷかと浮遊する生活を送るため、浮力を増すために風船のような形をしているのが特徴。成長に伴って平たい形になり、海底で生息するようになるという。

 展示している個体は町民が大島の漁港で浮遊しているところを採集し、寄贈した。

 同館飼育員の大西遼さんによると、幼魚は風船のような形と長く伸びた尾びれからクラゲに擬態していると考えられている。展示中の個体はアカグツ属の一種だが、採集例が少ないため種の特定には至っておらず、今後調査していきたいという。

 大西さんは「幼魚は初めて見た。おそらく人生で1回見るかどうかというくらい珍しい魚なので一度足を運んで観察してみてほしい。成魚とは全く違う見た目に注目して。一日でも長く展示できるようにしたい」と話していた。

 現在、動物プランクトンを与えるなどしているが、飼育が難しく数日で展示を終える可能性がある。