写真の活動を紹介 7月15日まで 藤本四八コレクション展示 飯田市美術博物館【長野県】

AI要約

美術博物館で開催中の「藤本四八の写真人生」展示についての情報。

藤本四八の写真活動や受賞歴、作品内容などについて紹介。

展示では海外向けの写真から晩年の作品まで幅広い活動を紹介。

写真の活動を紹介  7月15日まで  藤本四八コレクション展示  飯田市美術博物館【長野県】

 長野県の飯田市美術博物館は7月15日まで、コレクション展示「藤本四八の写真人生」を追手町の同館で行っている。同市松尾出身の藤本四八(1911~2006年)が、昭和の人々の生活や文化財、寺社などを捉えた写真や資料計63点を展示し、写真家としての活動を紹介している。

 藤本は1931(昭和6)年、美術雑誌編集者の兄・韶三を頼って上京し、広告写真家として活動。37(同12)年に日本工房へ入社し、日本を海外に宣伝する雑誌のカメラマンを務め、戦地にも従軍した。

 戦中に奈良で仏像を撮り始め、戦後に土門拳、入江泰吉らと仏像写真のジャンルを開拓。53(同28)年に『日本の彫刻』(美術出版社)で毎日出版文化賞、65(同40)年出版の『装飾古墳』(平凡社)でも同賞と日本写真協会年度賞、アサヒカメラ年度賞を受賞した。以降、日本の美や信仰をテーマとした写真を手掛けた。

 会場では、日本の生活の様子などを捉えた海外向けグラフ誌のカメラマン時代から、古都や信仰の地を題材にした晩年の仕事までを取り上げ、藤本の多彩な活動を紹介している。

 生涯最後に発表した写真集『嵯峨野』は、京都・嵯峨野の山すそに残された自然の風景を切り取ったもの。

 「春霞・桜」は水面の上に立ちこめたもやの向こうに、満開の桜と穏やかな山並みが見える。「化野念仏寺 石塔群」では密集して立つ無数の石塔を画面いっぱいに捉え、異界の雰囲気を漂わせている。

 開館は午前9時半から午後5時(入館は同4時半)まで。月曜日(祝日の場合は開館)と祝日の翌日は休館。問い合わせは同館(電話0265・22・8118)へ。