緊迫の訓練、万一に備え 三重・松阪消防 灯油貯蔵タンクに放水

AI要約

三重県松阪地区広域消防組合は、危険物安全週間に合同訓練を実施。訓練では灯油や軽油の貯蔵タンクからの火災を想定し、消防隊員とセンター職員が協力して対応。

訓練では初期消火から周辺温度の確認、消防車での放水まで行われ、スムーズな連携が評価された。

関係者は、普段からの火の取り扱いには注意が必要であり、緊迫した訓練を通じて学びを得られたと語った。

緊迫の訓練、万一に備え 三重・松阪消防 灯油貯蔵タンクに放水

 三重県松阪地区広域消防組合(松本芳昭消防長)は「危険物安全週間」(2~8日)に伴い、4日午前10時から、灯油や軽油など危険物を取り扱っている松阪市嬉野天花寺町の朝日ガスエナジー㈱松阪ガスセンター(谷口一郎センター長)で、合同訓練を実施した。参加者らは緊迫した雰囲気の中、集中して取り組んだ。

 同週間は1990(平成2)年に、石油類などの危険物などの保安に対する防火意識の高揚と啓発を目的に毎年6月第2週に制定されている。

 訓練は例年この時季に行う。同社は灯油や軽油、ガスを取り扱っており、松阪消防との合同訓練は2回目。

 この日、消防隊員や同センター職員ら計約30人が参加。施設内にある900リットルの軽油貯蔵タンクの真横にある19万4千リットルの灯油の貯蔵タンクからなんらかの原因で出火した想定で実施した。

 複数の同センター職員が手分けして通報と消火器で初期消火に当たった。到着した消防隊員に人的被害や液体の種類、設備の情報を引き継いだ。

 消防隊員による活動では、灯油は液温が高くなると引火しやすくなることから、ドローンを約30メートルの高さに飛ばして上空から赤外線カメラで周辺の温度を計測しながら、危険箇所がないか確認した。高さ13.7メートルまで到達可能な消防車で放水した。

 同組合本部総合指令課第三指揮隊の松林史男隊長(52)は「危険物を普段から取り扱っている施設ということもあり、初動からスムーズで連携も見事だった。季節や危険物にかかわらず、住民の皆さまには火の取り扱いには十分注意してもらいたい」、同センターの古田聖幸課長(38)は「本番さながらの緊迫した訓練で実りのあるものになった」と、それぞれ話した。