県内の児童虐待相談2739件 23年度 前年度比25件減少も高止まり

AI要約

熊本県は2023年度の児童虐待件数を発表。前年度より25件減少した2739件で心理的虐待が最多だった。

虐待の種別や相談経路、被害者の年齢や加害者の関係についての詳細情報が明らかになった。

児相や関連機関の連携強化が必要とされ、未然防止や早期対応に取り組む方針が示された。

県内の児童虐待相談2739件 23年度 前年度比25件減少も高止まり

 熊本県は31日、2023年度に県内の3児童相談所(児相)が対応した児童虐待の件数(速報値)は2739件だったと発表した。過去最多だった前年度から25件減少したが、高止まりが続いている。

 虐待の種別では、子どもの前で配偶者らに暴力を振るう「面前ドメスティックバイオレンス」など心理的虐待が、全体の55・4%を占める1517件で最多。次いで身体的虐待が27・5%で754件、ネグレクト(育児放棄)が16・0%で438件、性的虐待が1・1%で30件の順だった。

 主な相談経路は、警察からが1519件で55・5%を占めた。近隣・知人が271件(9・9%)、学校などが254件(9・3%)。虐待した本人からの相談は35件(1・3%)、子ども本人も14件(0・5%)あった。

 虐待を受けた子どもの年齢は7~12歳(35・5%)、3~6歳(24・3%)、0~2歳(18・4%)の順に多く、小学生以下が約8割に上った。虐待したのは実父が最多の48・4%で、実母も42・9%。

 3児相の内訳は熊本市1529件、県中央878件、八代332件。熊本市のみ前年度から104件増え、県中央は50件、八代は79件それぞれ減少した。

 31日、県防災センターであった県要保護児童対策地域協議会で県子ども家庭福祉課が報告。「児童相談所と児童家庭支援センター、市町村の子ども家庭センターの『3層』の受け皿の連携強化に取り組み、児童虐待の未然防止や早期対応を図っていく」と説明した。(後藤幸樹)