「島むにの日」制定を 方言継承に向け意見交わす 沖永良部島

AI要約

沖永良部島ではシマムニ(方言)の保存に向け、「島むにの日」を定める動きが高まっている。

地域住民や専門家が参加する情報交換会が開かれ、方言継承活動の意義や取り組みが共有された。

地元の高校生からシマムニ話者まで、方言に対する思いや意見が交換され、継承活動への期待が高まっている。

「島むにの日」制定を 方言継承に向け意見交わす 沖永良部島

 鹿児島県沖永良部島ではシマムニ(方言)の保存に向け、語呂合わせで6月2日を「島むにの日」に定めようという動きが高まっている。方言継承に取り組む「島ムニむんちゃの島ムニ保存会」(田中美保子会長)は2日、知名町役場で「島むに情報交換会」を開いた。昨年6、9月に続き3回目。地域住民や研究者など約40人が参加し、シマムニにまつわる体験談や継承への思いを共有した。

 同島では住民を主体としたシマムニの継承活動が盛ん。和泊、知名の両町は2019年1月に国立国語研究所と連携協定を結び、専門家の協力を得て方言の保存・記録を進めている。和泊町では20年8月、町島ムニ継承推進協議会(先田光演会長)も発足した。

 情報交換会では、先田会長が島全体で記念日を制定することの意義を強調。「方言を継承する雰囲気づくりには効果的な施策」と期待を込めた。

 地元の高校生やシマムニ話者、島外から移住してシマムニを学んだ人などが自身の経験や考えを発表した。

 「方言が間違っていても(話者が)温かく見守ることでしゃべりやすくなる」「シマムニを聞く機会がまだ足りないのでもっと増やせたら」などの意見が挙がった。

 沖永良部島の民話を島内2地域のシマムニと英語で語る読み聞かせや民謡の演奏もあった。

 沖永良部高校の生徒は「初めて知る継承活動もあった。方言を話せるようになって、お年寄りから昔のことなどを聞きたい」、主催した田中会長は「シマムニを残したい、話したいという人が増えていると肌で感じられた」と笑顔で語った。