熊本県内のDV相談953件 23年度、県女性相談センター 前年度より28件増

AI要約

熊本県女性相談センターは2023年度のDV相談件数が28件増えて953件だった。主な相談者は本人であり、加害者は夫が大半を占めた。

過去10年間はDV相談件数が横ばいだが、若い外国人からの相談が増加している。支援機関との連携が不十分な10~20代の被害者にも注目が必要。

困難女性支援法に基づく支援計画では、SNSや多言語化した説明資料などを活用して若年層への支援を強化する方針。

熊本県内のDV相談953件 23年度、県女性相談センター 前年度より28件増

 熊本県女性相談センター(熊本市東区)は5月31日、2023年度に寄せられたドメスティックバイオレンス(DV)の相談件数が、前年度より28件多い953件だったと発表した。県防災センターで開いた「県困難女性等支援調整会議」で報告した。

 相談者は本人が最多の605件で、次いで児童相談所などが99件。暴力の加害者は内縁を含む夫が911件で、交際相手は39件だった。年代は20~40代が計650件と約7割を占めた。同センターによると、子どもの前で家族に暴力を振るう面前DVを把握した児童相談所が、相談を寄せるケースもあるという。

 DV相談はピーク時の08年度(1319件)と比べると減少傾向だが、直近10年ほどは900件前後と横ばいで推移。会議では、若い外国人からの相談の増加や、支援機関につながっていない10~20代の被害者と関係を築く重要性などが指摘された。

 調整会議は県内の児童相談所やNPOなど63団体で構成。今年4月施行の困難女性支援法により県が策定した「困難な問題を抱える女性への支援に関する基本計画」に基づく。計画では交流サイト(SNS)での相談や広告などを活用し、若年層へ支援制度の周知を図る。説明資料も多言語化し、女性が気軽に立ち寄れる居場所づくりにも取り組む。(横川千夏)