「正しい抱っこ紐の使い方」とは 小児整形外科医が教える子供の発達を守るコツ

AI要約

抱っこ紐の正しい使い方について、小児整形外科医が解説。運動発達の観点から、抱っこ紐の選び方や使い方に注意が必要。

新生児期の抱っこ紐は避けた方が良い。新生児は体がやわらかいため、優しく手で抱っこすることが理想的。

縦抱きの抱っこ紐は首が据わってから一時的に使用可能。しかし、1人座りができるまで背骨や骨盤の固定には注意が必要。

「正しい抱っこ紐の使い方」とは 小児整形外科医が教える子供の発達を守るコツ

「正しい抱っこ紐の使い方」とは 小児整形外科医が教える子供の発達を守るコツ

近年さまざまな商品が出てきており、ますます機能的になってきている「抱っこ紐」。両手がふさがっている場合や、長時間の抱っこの際にとても便利に使える反面、使い方を間違えると事故の原因になったり、子どもの発達に影響を与えたりすることもあります。そこで今回は、「正しい抱っこ紐の使い方」について、運動発達という観点から小児整形外科医の中川先生に解説していただきました。

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

編集部:

抱っこ紐にはさまざまな種類がありますが、どのように使い分けるのがいいのでしょうか?

中川先生:

赤ちゃんの月齢によって最適な抱っこ紐は変わってくると考えられます。その理由は運動機能の発達レベルに関係してくるからです。それぞれの抱っこ紐の特徴を捉えて使い分けることで、安全で赤ちゃんにとっても正しい使い方になると思います。

編集部:

新生児期の抱っこ紐はどのように選べばいいのですか?

中川先生:

新生児期から抱っこ紐を使うことは、運動発達の観点から積極的にはすすめられません。新生児期はまだ体がやわらかく体重も軽いので、優しく手で抱っこしてあげることが理想的です。新生児から使用可能と書かれている抱っこ紐であったとしても、縦抱きで赤ちゃんの首や背骨を固定することは困難であると考えられます。手でのサポートができない場合は、スリングタイプを使用したり、ベビーカーの使用を検討したりしましょう。

編集部:

では、縦抱きの抱っこ紐はいつから使用できますか?

中川先生:

基本的には首が据わっていれば、一時的な使用については問題ありません。ただし、1人座りができていない赤ちゃんの場合、抱っこ紐の中で背骨をまっすぐに保つことが難しく、くしゃっと折れ曲がって動けなくなってしまっている可能性があります。そのため、抱っこ紐の中に入れたまま長時間の抱っこをおこなう際、背骨の動き方や骨盤の傾きが一方向に固定されてしまう危険性があります。動きの自由度を持たせるという意味では、やはり1人で座って自由に体を動かせるまでは、抱っこ紐を使用していたとしてもお尻や背中を手で支えてあげる方が好ましいと思います。