「育休取れ取れ詐欺だった…」男の育休はなぜいつまで経っても「踏み絵」なのか?

AI要約

イクメンが死語と化した今。育児も家事も妻任せ……そんな男に市民権はない。しかし、その一方で育休を取得することにはまだまだ高い壁を感じる人も多いという。

斉藤洋(34)もそのひとりだった。現在、育休を取得しようとしているが上司に言い出せず悩んでいる姿が描かれている。

昭和生まれの上司たちが育休に否定的な見解を持っている中、先輩社員の育休取得が混乱を招き、洋の心境に影響を与えている。

「育休取れ取れ詐欺だった…」男の育休はなぜいつまで経っても「踏み絵」なのか?

イクメンが死語と化した今。育児も家事も妻任せ……そんな男に市民権はない。しかし、その一方で育休を取得することにはまだまだ高い壁を感じる人も多いという。斉藤洋(34)もそのひとりだった。今回は、育休取得の実情をレポートしていく。

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「会社に育休制度があると知っていましたが、活用している人はちらほら。うちには今、3歳の娘がいて来年、第二子が生まれる予定です。共働きで妻もいわゆるバリキャリなので、育休を取得して欲しいと強く言われています。私自身、今も精一杯育児や家事をしているつもりですが、やはり妻の方が負担は多め。育休を取得して、少しでも協力がしたいと思っているんですが……、なかなか上司に言い出せませんでした」

昨年の法改正に伴い、産後パパ育休が新設された。これは子どもが生まれて8週間以内に4週間まで育休とは別に取得できるものだ。分割することもでき、最大2回まで活用できる。この制度を早速使った先輩社員の姿を見て、洋はすっかり気持ちが萎えてしまったという。

「その先輩の家は、初めての子どもで奥様は専業主婦なんです。上司達にはそれもネックだったみたいで、専業主婦なんて暇なくせにとか、それはもうひどい言われようでした。そもそも40代後半、50代前半の上司達が育休自体にいい印象を持っていないことは明らかです。育休は男の恥とか、よく言えますよね。背筋が凍るワードですよ、僕にとっては」

昭和生まれのおじさんたちには女が家庭を守り、男が仕事をする、そんな化石みたいな常識が染み付いているらしい。先輩社員が産後パパ育休で取得したのは、規定より短い1週間程度。仕事に支障が及ばないよう最大限配慮をしたのち、2回に分けて取得したという。

「先輩は仕事ができる人ですし、実際のところ、休んでいる間に業務に問題が起きることもありませんでした。連絡をすれば、比較的レスポンスも早かったですし、コロナでリモート勤務の日も増えたこともあり、不便さは僕にはさほど感じられませんでした。それなのにあんなことになるなんて……」