悠仁さまは東大志望でも…一般受験生が選ぶなら"定評ある"トンボ研究の大学は?(木村誠/教育ジャーナリスト)

AI要約

秋篠宮の悠仁さまが10歳のとき、2016年度に東京大学が学校推薦型選抜入試を導入し、女子東大生も増加し、入学生の多様化が進んだ。

東京大学の学校推薦制度は各高校の推薦枠人数を増やし、注目を集めている。

首都圏でトンボの研究を考えるなら、筑波大学や明治大学、東京農業大学、玉川大学などが候補として挙げられる。

悠仁さまは東大志望でも…一般受験生が選ぶなら

 秋篠宮の悠仁さまが10歳のとき、2016年度に東京大学が学校推薦型選抜(定員100名)入試を導入した。当時から国立大入試は前期と後期の複数受験制制度であったが、前期不合格者が受験する後期試験は、試験から合格発表・入学手続きまでの時間が制約され、大学側の負担も大きかった。

 そこで東京大学は、後期試験を廃止する代わりに、学校推薦型選抜を導入したのであった。ところがこの学校推薦のおかげで、結果的に女子東大生も増加し、入学生の多様化が進んだという好評価も生まれた。別に皇室向けにこの制度を導入したわけではないようだ。

 これに気をよくしたのか、東京大学では各高校の推薦枠人数を増やし、別学では3人、共学では4人とした。最近ではこの学校推薦入試で複数の合格者を出している高校が注目され、兵庫県宝塚市の小林聖心女学院高校や東京都立日比谷高校、長崎県立佐世保北高・中など出身校も多彩になった。ただ2024年度の結果では1校3人の合格者を出したのは、開成、渋谷教育学園渋谷、灘など有名進学校ばかりだった。学校推薦の合格対策を進めているのであろう。

 この高校3人の推薦枠に入ったら、東京大学の書類審査と面接を受け、2025年1月中旬の新課程の大学入学共通テスト(以下共通テスト)を受験することになる。

■一般の学生で首都圏でトンボの研究を考えるならどんな選択肢を選ぶのか

 国立大学なら筑波大学の生命環境系・山岳科学センター菅平高原実験所などはトンボの標本も充実している。町田龍一郎客員研究員はトンボの研究成果を発表し、よく知られている。

 ただトンボの研究では、一般に就職に有利になるということもなく、東京圏の大学では研究環境もいまいちとなる。進学するなら自らフロンティアになる気概が必要になるだろう。

 東京の私立大なら、実出願者数で全国トップの明治大学の農学部も候補になるはずだ。伝統のある有名学部であり、トンボ類の研究なら生命科学科が適当であろう。ただ農学の視点を重視しているようだ。

 また農学の伝統校といえば、東京農業大学も欠かせない。農学部は厚木キャンパスにあるが、世田谷キャンパスには、生命科学部や地域環境科学部があり、選択肢も広くとれる。東京農業大学 総合研究所研究会 の地域再生研究部会 が「トンボの里づくりフォーラム」を神奈川の平塚で開催したこともある。トンボは観光資源として注目されつつあるからだ。

 また玉川大学の農学部も候補になるであろう。第一農場に湧水を活用してビオトープが作られているので、さまざまな生物の実態研究もできるのが魅力だ。昔から皇族の学校と言えば学習院大学と言われているが、同大学に農学部はない。ただ理学部の生命科学科では動物科学や野外生命科学などが学べる。トンボもその研究候補になるであろう。意外とトンボは魅力のある昆虫のようで、多様な研究テーマが期待できそうだ。

(木村誠/教育ジャーナリスト)

  ◇  ◇  ◇

 ●関連記事【もっと読む】悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?…ほか、【さらに読む】の複数記事で悠仁さまの東大受験について詳報している。