「私のこと、好き?」小1の娘に「世界で一番好き」と返したらビミョーな空気になった理由

AI要約

日本では家族に対する愛情表現は言葉よりも行動で示す文化があります。しかし、家族に対する愛情は強く、平均的には76.7点を取るという結果が得られました。

ある日、子供に「私のこと、好き?」と聞かれ、「世界で一番好き」と答えた母親が、子供の反応から自らの言葉の選び方に反省するエピソードが描かれています。

愛情表現の重要性や家族への愛の複雑さを描いたこのエピソードは、子育てをする人にとって共感を呼ぶものかもしれません。

「私のこと、好き?」小1の娘に「世界で一番好き」と返したらビミョーな空気になった理由

日本では欧米ほど、家族に対して「愛してる」など言葉で愛情表現をする文化はありませんが、だからといって、家族に対して愛情がないわけではありません。

国内の20歳~69歳の既婚(事実婚含む)の男女4,700名(男性2,350名 女性2,350名)を対象にしたネット調査(※)によると、自分の家族愛を100点満点で評価すると何点か聞いたところ、「100点」(25.5%)と「80点」(25%)に答えが集中し、全体の平均は76.7点という結果に。

ちなみに、男女別に平均をみると、男性が75.7点、女性が77.6点でした。

さて、2児の母であるイラストーレーターの横峰沙弥香さんは、家族に対して言葉でしっかり愛情表現をするタイプ。でもあるとき、小学1年生の娘に「私のこと、好き?」と聞かれ、「世界で一番好き」と答えたところ、娘の顔が曇ってしまったそうで……。

横峰さんが子育ての切なさを、架空のスナック「スナック千代子」のピスタ千代子ママとしてつぶやく4コマ漫画連載「スナック千代子へいらっしゃい」(毎月第1・3日曜日に配信)。今回は、そのときのエピソードを漫画と共にお届けします。

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※ジブラルタ生命保険株式会社の「家族愛に関する調査2023」(2023年11月20日発表)より。

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あなたのことが大好き。愛してる。世界で一番好き。

子どもたちを見た瞬間、反射的に声に出てしまうので、毎日100回くらい言っている気がします。そう思わせる子どもの力ってすごいなと感じつつも、それを伝え続けることで逆に彼らを不安にさせていたのではないかと反省した出来事が……。

小学1年生の娘・ゆめこ(愛称)と2人でゆっくり話をしていたときのこと。いつも私に対して塩対応で通している娘が珍しく、「私のこと、好き?」なんて甘えた感じで聞いてくるので、嬉しくなってしまったわたくし、世界で一番大好きだと答えると、娘の顔が曇りました。

聞けば、「私が一番ならパパとお兄ちゃんはどうなのか」とのこと。

私にとっては家族全員が世界で一番大切な存在であることは大前提の上で話をしていたのだけれど、そうか、まだ「同率1位」という概念がない娘にとって、「一番」という言葉は唯一無二と同様。浮かれてあなたが世界一だなんて口を滑らせてしまったせいで、娘の目に私は、家族への愛に優劣をつける母親と映ってしまいました。これはいけません。

慌てて説明をしようとするのですが、家族全員を世界で一番愛していること、一番が複数あるパターンもあるということ、今は娘と私だけの時間だから、「あなたが世界一だよ」とだけ伝えたんだよ、といったことをぐだぐだと話していたら、なんだかその言葉の羅列がどうにも……浮気心を隠しもしないクズの言い訳のようにしか聞こえない。

伝えたいことは、「複数の人間を同じだけ愛している」という趣旨のことなので当然と言えば当然。ふと見ると、数年前に同じやり取りを済ませた息子が生ぬるい眼差しでこちらを見つめていたのでした。