生後10日で保護され社会化トレーニングを受けた雑種犬「らく」 立派なデモ犬に!

AI要約

生後10日で保護され社会化トレーニングを受けた雑種犬「らく」。ドッグトレーニングのデモンストレーション犬として活躍している。

「らく」は野犬から保護され、愛護センターで育てられた。愛犬ジョイにそっくりな性格で、飼い主にとって特別な存在となった。

伊藤さんは「らく」を手放すことなく、一緒に暮らすことを決めた。ジョイに触れられたと感じている。

生後10日で保護され社会化トレーニングを受けた雑種犬「らく」 立派なデモ犬に!

生後10日で保護され社会化トレーニングを受けた雑種犬「らく」 立派なデモ犬に!

山賀沙耶2024/08/30

雑種犬図鑑

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 個性豊かな雑種犬の魅力を紹介する連載企画。第21回は、サモエドや秋田犬のように、大きな体にフサフサの長毛を持つ「らく」。生後10日ごろからドッグトレーナーの飼い主に育てられ、人や犬を怖がることもなく、トレーニングのデモンストレーション犬をするまでに成長しています。

DATA

《名前》らく

《年齢/性別》1歳/オス

《役割》トレーニングのデモンストレーション犬、季節の花と写真を撮るときのモデル犬など、役割いろいろ!

《サイズ》体高55cm・体⻑61cm・体重25kg

《チャームポイント》垂れ目の困り顔と、全身白いのになぜか茶色い耳

《特性》

人慣れ度★★★

犬好き度★★★

食いしん坊度★★★

運動量★★★

トレーニングしやすさ★★★

ケアのしやすさ★★☆

 生後10日ほどの乳飲み子のときに、ドッグトレーナーである現在の飼い主の伊藤さんが運営する動物保護団体によって、動物愛護センターから引き出された「らく」。愛知県内で野犬が産み落とした子犬7匹を、愛護センターが保護していたのを、もともとしつけ教室を運営していた伊藤さんの団体ですべて引き受けて世話することになったそうです。

「最初は目も開いていないし、数時間おきに授乳が必要な状態で。生後1カ月で離乳するまでは、夜もスタッフが交代でお店に泊まって一緒に過ごしていました。このきょうだいは、野犬の子にしては珍しくミルクを飲まない子もいて、死んじゃうんじゃないかと思うこともあったし、入院したり点滴したりとけっこう大変でした」と伊藤さん。

 当初は、しかるべき時期になったら7匹みんな譲渡する予定でしたが、日々成長する子犬たちの世話をするうちに、伊藤さんにとって手放せないと思う子が出てきました。なぜなら、ドッグトレーニングの師匠の亡くなった愛犬「ジョイ」にそっくりだと思ったから。ジョイは人に馴れていない子で、伊藤さんもジーンズの上から噛まれたり、台所でピーマンを切っていたら後ろから襲われたりと、付き合い方には苦労してきました。

「このジョイ似の子犬に毎日接するうちに、『ジョイが触れるようになって帰ってきたんだ』と思うようになって。生後2カ月のころには、手元に置いておきたいとほぼ決めていました。それが、今の愛犬らくです」

 周りのスタッフにも「この子を迎えるかも」と話して、正式に迎えると決める前には一緒に暮らし始めていたそう。「結婚する前に、先に同棲を始めてしまった感じですね(笑)」と伊藤さんは笑います。