自己愛性パーソナリティ障害の傾向が?「自覚あった」原作者が歯を食いしばってやったこと

AI要約

2024年5月から始まった連載『怖いトモダチ』は、自己愛性パーソナリティ障害をテーマにした漫画で、SNSなどで大きな反響を呼んだ。特に、投稿者の体験を通じて、その恐ろしさが再確認された。

漫画では、人気エッセイストの正体が自己愛性パーソナリティ障害であることが明らかになり、それを巡る複雑な人間関係が描かれている。

岡部えつさんは、自身も自己愛性パーソナリティ障害の被害者であり、それを克服する過程を経験している。その過程についても語られている。

自己愛性パーソナリティ障害の傾向が?「自覚あった」原作者が歯を食いしばってやったこと

2024年5月から始まった連載『怖いトモダチ』(岡部えつ 原作・やまもとりえ 漫画 / KADOKAWA)の漫画試し読みつき記事は、毎回大人気。時には100万PVを超える反響だった。

本書がテーマにした“自己愛性パーソナリティ障害”についてもまた、SNSなどで「人の悪意の使い方が怖かった。糾弾しても悪意はなくならない……いちばん怖いのは人間です」「こういう人いるし、自分にもこういう部分あるかも、と考える機会になった」などと話題を呼んだ。

中には、自身の体験として、家族が自己愛性パーソナリティ障害だと思われるという投稿もあった。

その投稿者の女性は、親の介護で、これまで“下”に見られていた自分が「できる」と周囲に言われたのが、その家族には許せなかったのでは、と書いている。そして、彼女が相手の間違いを指摘したことをきっかけに、その後何年も「タゲられた」という話であった。ちなみに「タゲられた」とは、ターゲットにされたという意味である。

自己愛性パーソナリティ障害の特徴として話がうまく、カリスマ性や説得力をもっている人間も多いため、周囲は、投稿者を悪者にした話を信じ込まされ、何年も辛い思いをしたという。

まさに『怖いトモダチ』に出てくるエピソードそのまんまである。

漫画では、人気エッセイスト・中井ルミンが「いい人」なのか、「悪魔」なのかをめぐって、彼女が主宰するオンラインサロンメンバー、同級生や元夫、仕事仲間、過去の知人など、様々な人の思惑と言い分が交錯する。

子どもの学校の担任との不和、義理の姉との確執など、サロンに持ち込まれる様々な悩みに寄り添ってくれるルミンは、メンバーからは崇拝される。そんな中、ルミンの過去を探ろうとする人間が現われる。

その人物はルミンがブログで綴る過去のエピソードを知る人間を1人ずつ訪ね、ルミンの話は「噓ばっかり」という証言を、ひとつずつ拾い集める。

やがて暴かれる、ルミンの正体。

彼女は、「自己愛性パーソナリティ障害」だった。

本記事は、原作者の岡部えつさんに本書を書くきっかけと、リアル過ぎる自己愛性パーソナリティ障害のエピソードについてお聞きした、インタビュー記事の後編である。

前編「罪悪感を植え付けられ20年以上口に出せず…原作者が体験した本当の“怖いトモダチ”」では、岡部さんが「自己愛性パーソナリティ障害」について書いたきっかけをお伝えしている。

驚くことに、岡部さんは自身が「タゲられた」被害者であった。

一方であとがきには「かつて自分自身の中に傾向の自覚があった」とも書いている。

岡部さんはいったいどうやって、それを克服したのか。

後編も岡部さんのインタビューでお届けする。