どうしても合わない相手との仕事で、ストレスやトラブルを回避するための意外な手法
アイドルグループ解散に関する直撃取材で、社長の巧みな話術に感心した記者
記者が学んだ注意や批判を避ける手法と、険悪な人間関係が空気に残る例
人間関係の空気感に敏感な109時代の出来事を通じて、注意や批判が険悪な空気を生むことを理解したエピソード
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■おエラいさんに習う、上手に聞き流す術
人気アイドルグループ解散の報道を受けて、すぐに真相を知るため事務所の社長に直撃取材したときのこと。私自身ものすごくファンだったこともあり勢い余って、
「本当に解散しちゃうんですか?悲しすぎます! すごくショックです! グループで活動する姿が見られなくなるなんて信じられません!!」
とストレートに聞いてしまいました。すると、
「そういえば、あの◯◯の記事どうなっているの? ◯◯と◯◯の記事もなんであんなこと書いたのよ?」
と話題をすり替えられてしまったのです。その後は延々、私が聞きたい話とはまったく関係ない話を聞かされました。
そのときはまだ記者4年目だったので、解散の真相を取材できなかった悔しさより、「さすが業界トップクラスの経営者は逃げ方が上手だな!」と感心してしまいました。
以来、話したくないことをストレートに聞かれたときは私も聞き流して、「そういえばこの前の……」「それはそうと、◯◯はどうなっていますか?」と話を逸らす手法でうまく切り抜けています。
百戦錬磨の強者に取材するたび、こうした学びが得られるのも記者の醍醐味ですね。
■注意や批判はみんながいる職場ではしない
109の頃は、ほかのスタッフに注意すべきことがあると、お店とは違う場所で話すようにしていました。当時、あらゆる店をよく観察してみて、人間関係の険悪な空気は残り香のようにその場所に漂い続けるとわかったからです。
今でもよく覚えているのは、最初に入った瞬間から悪い空気を感じたお店のこと。そのお店は、いつ行っても空気が重く居心地が悪かったので長居できなかったのです。
気になったので、休憩室でそのお店のスタッフに会ったときにどんな様子なのか聞いてみたら、スタッフの仲が悪く、みんな陰口ばかり言い合っているというのです。その話を聞いて、「どうりであんなに空気が悪いわけだ。香りと一緒で悪い空気は残るんだな」と思いました。