潜伏期間が長い“歩く肺炎”が大流行 「マイコプラズマ肺炎」患者数が福井県内でも過去最多 医師は流行の長期化懸念

AI要約

全国各地で「マイコプラズマ肺炎」の流行が報告されており、福井県でも患者数が急増している。

感染から発症までの期間が長く、外出時に気付かないことも多いため「歩く肺炎」と呼ばれている。

医師は今後も流行が続く可能性があり、感染予防の徹底が求められている。

潜伏期間が長い“歩く肺炎”が大流行 「マイコプラズマ肺炎」患者数が福井県内でも過去最多 医師は流行の長期化懸念

全国的に「マイコプラズマ肺炎」が流行している。福井県内でも8月半ばには1定点あたりの患者数が過去最多となるなど、ここ数年にない流行を見せている。医師は、潜伏期間が長いことで流行が長引く恐れがあると指摘している。

「マイコプラズマ肺炎」は発熱や長引く咳(せき)が特徴の呼吸器の感染症で、感染してから発症までの期間が長く、感染に気付かないまま外出する人も多いことから「歩く肺炎」とも呼ばれる。

福井市のかさはら小児科を取材すると、4月頃からマイコプラズマ肺炎患者が訪れ始め、8月末までの患者数は約60人に上るという。

院長の笠原善仁医師によると「ここ1カ月くらいで急に多くの人が受診に来るようになってきた。春から少し増えてきたという感じがあるが、ここ数年はこんなに多くの患者はいなかった」と話し、患者数は、前回流行した2016年を上回るという。

福井県内のマイコプラズマ肺炎の患者報告数は、8月半ばには1医療機関当たり3.83人で、過去最多となった。過去5年間と比較しても2024年が飛び抜けて高い数値となっている。

これだけ患者数が急増しているのは、なぜなのか。

笠原医師は「コロナ前までは、大体3~4年に1回くらい大流行を繰り返すといわれていたが、コロナで流行がなかったので、免疫がない人がたくさんいたため、今回は流行が広がった」と分析する。

夏休みが明けて学校が再開したが、今後の見込みについては「ひどくなるかどうかは分からないが、かなり長引くのではないか。例えばインフルエンザだと潜伏期間が短いので2~3カ月でおさまるが、マイコプラズマ肺炎は潜伏期間が長いので、あと1カ月、2カ月とだらだら続くのではないか」と危機感を示す。

マイコプラズマ肺炎は、主に飛沫(ひまつ)感染や接触感染のため、県は、石けんによる手洗いや咳の症状がある場合はマスクを着用するなど、感染予防の徹底を呼びかけている。

<マイコプラズマ肺炎>

■潜伏期間は10日~3週間ほどと長く、軽症の場合、感染に気付かず外出することも多いことから「歩く肺炎」とも呼ばれている

■治療は抗生剤(3日以上、普段と違う咳が続くのが受診の目安)

■検査はコロナやインフルエンザと同じ、抗原検査やPCR検査など

■普通の肺炎と違い、マイコプラズマ肺炎は胸に異常音が聞こえないこともある

■咳の様子を動画で撮影しておくと受診時医師がわかりやすい

(福井テレビ)