野菜を滅多に買わない料理初心者が、ふわとろ「サーロインなす」を食べて思ったこと

AI要約

最近の食のトレンドは、簡便で手軽な食べ物への志向が高まっており、生鮮野菜よりもサラダの購入が増えている。

孤食の食生活が増加しており、生鮮野菜を買う際に使い切れないことへのストレスから買うことが減っている。

料理をするサイクルに乗ることが難しく、生鮮野菜を無駄にすることを避けるため、冷凍野菜や市販のサラダを選ぶ傾向がある。

野菜を滅多に買わない料理初心者が、ふわとろ「サーロインなす」を食べて思ったこと

20~70歳代のすべての世代で、食の「簡便化志向」と「経済性志向」が進んでいる。できるだけ安く手軽に食べられるもの、というのが食のトレンドだ。

野菜というジャンルでも同じ傾向が見られる。農林水産省の最新の野菜消費状況※によれば、家庭での生鮮野菜購入額は減少傾向だが、サラダの購入額は毎年増加している。

スーパーマーケットやコンビニエンスストアでは1人分のサラダがドレッシング付きで売られており、1回分の食事にちょうど良い。生鮮野菜を買い、調理をする手間を考えると、すぐに食べられる状態で売られているサラダの方が圧倒的に手軽だ。

食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地株式会社が展開するOisixが8月31日「野菜の日」に合わせ、“2025年に注目される青果トレンド”を発表した。「食の簡易化」がトレンドの今、注目されている野菜とは。

ある理由で生鮮野菜を滅多に買わなくなった編集者が、そのトレンド発表を機に野菜について学んだことをお伝えする。

「孤食」という言葉をご存知だろうか。「孤食」とは農林水産省が推進する食育施策において、特に「週の半分以上一日の全ての食事を一人で食べていること」と定義づけられている食生活だ。少し前のデータだが、「平成29年度 食育白書」によると一日のすべての食事を一人で食べる頻度が「ほとんど毎日」と回答した人は11.0%、「週に4~5日ある」と回答した人は4.3%で、週の半分以上、一日のすべての食事を一人で食べている孤食の人は約15%もいることがわかった。

筆者もまさに「孤食」と呼ばれる食生活をしている。そのため、食材を買うときは「1人分」ということを意識して買わないといけない。しかし、これが難しい。自分の食生活の予定を加味して、賞味期限を考えながら、家に保存できる分だけを買わないといけないからだ。

その中でも特に生鮮野菜は買うことに抵抗がある。使い切れず、腐らせてしまうことが多いからだ。その度に、食材を無駄にしてしまったという大きな罪悪感に苛まれる。「使い切れないかもしれない」「また腐らせてしまうかもしれない」というストレスから、最近は生鮮野菜を買うことが極端に減ってしまっていた。

「毎日料理するサイクルに乗っちゃえば、野菜も使い切れるんだけどね」

料理をする人からそう言われたことがあるが、「毎日料理をするサイクルに乗る」ことがいかに難しいか、料理を毎日する気力がない筆者には分かる。

筆者は料理初心者だ。コロナ禍をきっかけに自炊をはじめて、週に1,2回料理をする程度。今は気が向いたときに、できそうな料理からチャレンジしている。作る料理は、生姜焼きや豚キムチ、鶏ともやしを炒めたものなど、フライパンで作れる簡単なメイン料理。そのときも生鮮野菜ではなく、冷凍のカット野菜を使うことが多い。そして副菜としての野菜はスーパーマーケットでお惣菜やサラダを買う。「野菜を腐らせてしまうガッカリ感をもう味わいたくない」と必死に生鮮野菜を買わなくて良い方法を探していた。