エルメス、ディオール、アルマーニ。普段着に相応しいFeel so goodなラグジュアリーウェア
最新作のラグジュアリーブランドのアレンジが心地良い存在感を放つ。
エルメスの無比の老舗メゾンの独自性と品質について。
キム・ジョーンズが手がける新しい日々のワードローブと、カシミヤニットベストの魅力。
古くから我々がカジュアルに付き合ってきたワードローブに、さりげなくも確かなアレンジを加えたラグジュアリーブランドの最新作。
華美でなくとも唯一無二の存在感が、実に心地良い。
上質、洗練、エスプリ。いくつ美辞を並べても本質には届かない。エルメス。比類なき老舗メゾンを指し示す形容は、その名前のほかにない。
銘品シェーヌ・ダンクルのコマを伸ばして安全ピンの形に仕立てたバングルも、まさしく無二の存在。シンプルでユニークなフォルム、エアリーな着け心地、そしてロックな反骨心。
馬具がダイナミックにプリントされたバッグを握る手に、さらなる高揚が宿る。
キム・ジョーンズが紡ぐ、新しい日々のワードローブ。そこに今秋、カシミヤだけを使ったニットベストが加えられた。
厳選された素材に負けじと極上のリラックスを伝えるフィッティングのなかで、コントラストが効いた5つのホーンボタン、背面のスエードライクなロゴパッチが品良く主張。
リブの切り替えもカジュアルで、毎日に寄り添う。Tシャツの上から羽織った途端、こんなにも優雅に。
仕事着としてのスーツは存在感を失いつつある。時代ではなく、気分がそうさせるのだ。そして対照的に、遊びの利いたスーツには否応なく物欲をくすぐられる。
例えば、帝王の美学を体現するこんな一着。1980年代のアーカイブを紐解き、シルク&ウールで作られたダブルブレスト。逆三角形ラインと細身のウエスト、ナチュラルショルダーとパンツのボリューム。
超絶バランスの温故知新だ。
工藤佑斗=写真 菊池陽之介=スタイリング 小林雄美=ヘアメイク 増山直樹=文