書籍を通じたコミュニケーション装置「ほんのれん」が大学図書館に初設置

AI要約

大阪経済大学の図書館に設置された「ほんのれん」は、毎月の問いかけを通じて学生らが本と対話し、思考をめぐらせるコミュニケーション装置で、大学では初の導入となった。

ほんのれんは丸善雄松堂と編集工学研究所によって運営されており、たたみ1畳分の本棚には10冊の「百考本」が置かれ、テーマごとに厳選された5冊の「旬感本」がセッティングされている。

大学では教育・学習支援センターの一環としてほんのれんを導入し、授業やイベントなどを通じて学生の意見交換や議論を促進する取り組みが行われている。

書籍を通じたコミュニケーション装置「ほんのれん」が大学図書館に初設置

本を媒介にしたコミュニケーション装置「ほんのれん」が、大阪経済大学(大阪市東淀川区)の図書館に設置された。毎月出される問いかけに、学生らは「本」と「対話」で思考をめぐらせる。オフィスなどで設置されているが、大学では初めて。

ほんのれんは、150年以上にわたって教育・科学・文化に携わる「丸善雄松堂」(東京)と、選書や本棚空間プロデュースを手がける「編集工学研究所」(同)が共同で運営。学校やオフィスの図書空間の活性化のために開発した。

たたみ1畳分の本棚には、「百考本」と呼ばれる100冊の本が置かれ、棚の上の空間には「『働く』ってなんだ?」「『場』にはどんな力がある?」「お金って何だ」などの問いが毎月出される。テーマに沿って厳選された「旬感本(しゅんかんぼん)」5冊がセッティングされており、本棚を囲んで自然に議論を交わせるようになっている。

大経大では昨年9月、図書館1階に教育・学習支援センターを併設。学習支援のさらなる活性化を図り、図書館の利用度を高めるために、ほんのれんの導入を決めた。

また、授業「キャリアと仕事」でも、ほんのれんの仕組みを活用。キャリア教育に関する本が学生約50人に渡され、仕事や就職などについて意見を交わした。経済学部2年の玉置歩久斗(ほくと)さん(19)は「短時間で新たな発見があった。すきま時間で読書をすれば就職活動にも生かせそう」と話していた。

同大学によると、今後はほんのれんを活用した意見交換会などのイベントなどの企画も検討しているという。