親友と元カレが付き合い始めた!?「3人でお昼一緒に食べない?」デリカシーのない発言に怒りが湧いてきて?【作者に聞く】

AI要約

大学で浮いている夕子は、親友・若葉の元カレと付き合い始めた。夕子は友達としての線引きが曖昧で、複雑な友情が描かれる。

周りから浮いている夕子のキャラクターは、はっきりした意見を持ち、空気が読めない一面も持つ。友情の葛藤がリアルに描かれる。

作者は、相手の理解できる部分とできない部分を描きながらも、友情の育成をテーマに描いている。

親友と元カレが付き合い始めた!?「3人でお昼一緒に食べない?」デリカシーのない発言に怒りが湧いてきて?【作者に聞く】

大学で浮いている夕子は、親友・若葉の元カレと付き合い始めた。彼女は「恋愛したことないからいい機会」で「今は別れて友達なんでしょ?」と言う。デリカシーのない夕子の態度にイラつきながらも友達でいる――そんな複雑な友情を描いた宮子玲子(@015_3625)さんの「フローティング・夕子」を紹介するとともに制作の経緯を聞いた。

■夕子ははっきりした意見があるだけに、空気が読めず、どこか周りから浮いていた

「失礼!奥の席入りたいのだけど、いいかしら?」。青峰夕子は浮いていた。いまどき「失礼」や「いいかしら?」などという言葉はあまり使わないし、授業に対する姿勢も真面目すぎたから。唯一の友達である若葉も夕子のことは嫌いではないが、デリカシーのない発言は苦手だった。たとえば、夕子の彼氏は、以前は若葉と付き合っていた人。その3人で「お昼一緒に食べない?」と誘ったりするのだ。若葉と元カレは気まずいのに、夕子はまったく2人の気持ちに気付かない。

■「わかり合える部分とわかり合えない部分」の両方がある。それでも「友情を育むことはできる」

――「フローティング・夕子」を描こうと思ったきっかけはなんでしょうか?

この漫画を描いた時期、コミティアで毎回新作を出すのを目標にしていました。ですが、コミティアの1カ月前になっても、アイデアをなかなか形にすることができませんでした。最初に考えてた話をあきらめ、急いでコミティアに間に合わせようと思って浮かんだのがこの話です。

――タイトルを「フローティング・夕子」にした経緯はありますか?

「周りから浮いている」がテーマだったので、フローティング=浮いている、というタイトルにしました。

――夕子のような芯の強い女の子は、どのようにしてキャラクターとして仕上げていくんですか?実在する人がいたりしますか?

夕子は、過去の同僚をモデルにしています。その人もやはり、独特な話し方や振る舞いで周りから少し浮いていました。ですが仕事熱心な人で、言いにくいことも必要であればはっきり言ってくれるので信頼していました。その人物をヒントに、漫画っぽくわかりやすい「キャラクター」に落とし込んでいったのが夕子です。

――相手の性格の苦手な部分も受け入れ、友達だったけれど、「ある瞬間」許せなくなるところも心情がリアルでした。宮子さんが、漫画で表現したいことはどんなことですか?

私は、どんな人に対しても心からわかり合える部分とわかり合えない部分の両方があるだろうと思っています。「相手のすべてを好き」と言うのは難しくても、相手にうれしいことがあれば思わず一緒に喜んだり、友情を育むことはできると思います。そういう関係が描きたくて描きました。

――本作には1.3万いいねがついています。反響についていかがですか?

「わかりやすくキャラクターが描けたな~」と思っていましたが、こんなに反響がもらえるとは思ってませんでした。いまだにこのようにインタビューのお声がけなどをいただけて、ありがたいかぎりです。

――そのほかにはどのような漫画を描いていますか?

各種電子書籍で「あの子に彼氏ができても」という漫画を配信しております。チェックしていただけたらうれしいです。新作のネームも書き溜めているところなので、発表されたら読んでください!

若葉が元カレに振られたことや今の気持ちを真摯に話すと、突然、夕子は「フラれた立場の気持ちってすごく気になってたの」と、若葉の気持ちを小説の資料としてメモを取り始め――?どこまでも自分本位な夕子の態度に、怒りをぶつけてしまう。

取材協力:宮子玲子(@015_3625)