「中年・実家暮らし」に厳しい視線…子供部屋おじさんはなぜ揶揄されるのか

AI要約

「子供部屋オジサン」という言葉の意味や背景について解説。

実家暮らしの中年男性に対する社会的な風潮や、その実情についての意見やアンケート結果。

家族の在り方や自立に関する視点からの議論や意見の相違。

「中年・実家暮らし」に厳しい視線…子供部屋おじさんはなぜ揶揄されるのか

 「子供部屋オジサン」なる言葉を聞いたことがあるだろうか。

 この言葉は2014年ごろに日本のネット掲示板サイト「2ちゃんねる」(現「5ちゃんねる」)が発祥とされている、「社会人になってからも実家の自室で暮らす中年男性」といった意味の造語だ。

 そんな世間的に揶揄されがちな「子供部屋オジサン(オバサン)」について、今年5月、Xではこんな投稿が話題を呼んだ。

 ≪実家暮らしを「子供部屋オジサン」と言って馬鹿にするような風潮は良くない。

上がらない給料、円安、物価上昇といった環境下で見栄張ってる場合じゃない。生活していくためには使える手段は最大限活用するのは当然。

 そもそも家族同士助け合って生きるのがそんなに恥ずかしいことか? 自然だと思う。≫

 この投稿には4.9万“いいね”が付き、「実家の場所に納得がいってて家族と仲悪くないなら全然いいと思う」や、「高度経済成長期までは普通に3世帯同居でしたし…みんな一人暮らしは経済的ピークの時期だからなし得た贅沢です」など共感のコメントであふれている。

 ただし、「良い歳した大人がいつまでも親と暮らしているなんてみっともない。周りが親になっていくのに自分はいつまでも子供のままってか? 自立しろよ」という厳しい意見もあった。

 不動産情報サイト「イエプラコラム」で2022年に20代・30代の150名を対象に行われたアンケートで、「実家暮らしが何歳まで許されるか」という調査をしたところ、「20代後半から30歳まで」と回答した割合が過半数を超えたとのこと。特に男性の場合、経済的に自立していない印象を受けるといった理由で、30代以上で実家暮らしを継続していると悪いイメージを持たれることも少なくないようだ。

 今回は「パラサイト・シングル」という言葉の生みの親であり、家族の在り方についても研究する中央大学教授・山田昌弘氏に、“中年の実家暮らし”の実情などについて話を聞いた。