駅舎、懐かしの鉄道車両… 開業150年 JR大阪駅で楽しむタイムトラベル 

AI要約

JR大阪駅が開業150周年を迎え、タイムトラベルステーションとして記念イベントが開催された。

大阪駅は明治初期に湿地帯に建設され、乗降客数は徐々に増加してきた。

現在はデジタル技術を活用したイベントやアクティビティが行われ、歴史と未来が融合する場となっている。

駅舎、懐かしの鉄道車両… 開業150年 JR大阪駅で楽しむタイムトラベル 

JR大阪駅(大阪市北区)が5月、開業150周年を迎えた。明治初期、何もない湿地帯に作られた駅は西日本最大のターミナルとなり、現在では5代目駅舎が多くの通勤客や観光客を出迎えている。駅ビルを管理・運営する「大阪ターミナルビル」は同駅を「タイムトラベルステーション」と見立てた記念イベントを開催。過去から未来へとつなぐハブ(結節点)駅となるよう期待を込める。

大阪駅は明治7年5月11日、国内2番目の官設鉄道として大阪―神戸間(約32・7キロ)の鉄道開通時に開業した。当初は堂島周辺に駅舎を置く計画があったが、地元から「汽車は火を吐くので火事になる」と猛反対があり、北側に外れた湿地帯を埋め立てた田んぼに建設されることになった。同社によると、開業当初の乗降客は1日約2千人だったという。

昭和15年に3代目駅舎が完成した際に線路は高架化されたが、湿地帯の上に建設されたために駅のあちこちで地盤沈下が起こった。現在も大阪駅構内を歩いていると、数段しかない短い階段や緩やかなスロープがいくつもあるが、それは地盤沈下との戦いの跡だ。

150年の歳月を重ねている間に、国鉄はJRに分割民営化され、駅舎も5代目になった。現在では1日の乗客数約34万7千人(令和4年)を誇るターミナル駅へと変貌した。

■謎解き、AR体験

そんな大阪駅の魅力をデジタル技術で楽しんでもらおうと企画されたのが「タイムトラベルステーション」だ。大阪ターミナルビル取締役まちづくり推進部長の宮崎博司さんは「東京駅(大正3年開業)よりも長い大阪駅の歴史は、梅田が発展してきた歴史そのもの」と意義を強調する。150年の歴史が体感できるように、過去と未来をつなぐタイムトラベルをコンセプトに掲げた。

「AR大阪鉄道博物館」は、拡張現実(AR)を活用した体験型イベント。特設サイトにアクセスして、各広場に設置されているARマーカーをスマートフォンで読み取ると「500系のぞみ」や特急車両「クハ489形」などが画面上に現れる。ARスポットは現在4カ所だが、8月下旬までには8カ所まで拡大する。

また、大阪駅を舞台にした謎解きゲーム「タイムトラベルステーションの謎」も実施し、2つのイベントで延べ4千人以上が参加した。謎解きゲームは現在「過去編」が遊べるが、8月から「未来編」が始まる。というのも、JR大阪駅西側で建設中の「イノゲート大阪」と「JPタワー大阪」内の商業施設「KITTE大阪」が7月31日にそろってオープンするからだ。