じつはバカにできない「エアハラ」。エアコンのON・OFFに引き裂かれた夫婦の悲惨な実態を専門家が解説

AI要約

夫婦間での寝室のエアコン設定温度を巡るバトルの実態について

男女の体感温度の違いによるエアコン設定温度の問題点

寒がり妻と暑がり夫とのエアコン設定温度に関する葛藤

じつはバカにできない「エアハラ」。エアコンのON・OFFに引き裂かれた夫婦の悲惨な実態を専門家が解説

三松真由美さんが主宰する「恋人・夫婦仲相談所」で、毎年蒸し暑い季節になってくると「寝室のエアコンの設定温度」に関する相談が増えるそうです。寝室のエアコン設定温度を夫、妻どちらの「快適な温度」に合わせるかで繰り広げられるバトル。その実態を解説してもらいました。

近年は猛暑が続き、寝室だけでなく家の中すべてがエアコンなしでは耐えられない暑さという場合も多く、エアコンの設定温度を巡る戦いは拡大しています。それにあわせて、設定温度問題がハラスメントにも発展しているご家庭も出てきています。

「エアハラ(エアコンハラスメント)」は本来、職場におけるエアコンの設定温度によるハラスメントを指す言葉ですが、これは家庭内においても起こり得るものです。今回は夫婦間の「エアハラ」について考えてみましょう。

同じ温度でも体感温度は人それぞれ個人差があります。とくに男女における差が大きいということは皆さんも経験的に感じませんか。

一般的に男性は暑がりで、女性は寒がりと言われ、一説には男女の体感温度は3~5℃もの差があるのだとか。これは男女間での筋肉量の違いに原因があります。人間の身体は筋肉によって熱をつくり出し、筋肉の少ない女性は男性に比べて熱をつくり出しにくいため、同じ温度でも寒く感じるわけです。

体の構造上このような違いがあるなら、お互いに理解しあって両方が譲歩できる点を探せばよいのですが、なかなかそれがうまくいかない夫婦もいます。

レナさん(仮名36歳)の場合は、典型的な「暑がり夫と寒がり妻」のパターン。

「エアコンが必要なことはもちろん理解していますが、冷やすにも程度があると思っています。わが家は夫をはじめ息子2人もみんな暑がり。エアコンの設定温度は常に23℃です。夫のいない間にこっそりリビングのエアコンの設定温度を上げると、外から帰ってきた夫が部屋に入ったとたんに『暑い!また設定変えただろ』といきなり不機嫌モード。『こっちは仕事で疲れて帰って来てるのに、エアコンぐらいでケチケチするなよ。』とまるで私が節約のために設定温度を上げているかのように文句を言います。

私が『ケチってるわけじゃなくて、冷えすぎて頭痛がするのよ』と訴えても『寒いやつは着ればいいんだよ。暑いのはもう脱げないんだからこっちに合わせるべきだろ。じゃあ、多数決で決めよう。涼しいほうがいい人。はーい!…ほら、3対1で23℃に決定~~』と、息子たちを巻き込んで私の意見などまったく聞いてくれません。

仕方なく、夏でも長袖、モコモコ靴下をはいていますが、それでも冷えからくる頭痛に悩まされています」