「健康診断」と「人間ドック」の違いはご存知ですか? 検査項目の選び方を医師が解説

AI要約

「人間ドック」は健康診断より詳細な検査を提供する。施設や料金の違いに迷うこともある。

内視鏡専門医による解説で、人間ドックのポイントや受診のコツを学ぶ。

人間ドックでは主に「がん」の早期発見を重視し、臓器ごとに検査が行われる。

「健康診断」と「人間ドック」の違いはご存知ですか? 検査項目の選び方を医師が解説

「人間ドック」では、一般的な健康診断よりも詳細に健康状態をチェックします。しかし、施設によって提供するメニューが多様で、料金も高額になりやすく、どの検査を受けるべきか、どの施設を選ぶべきか迷うことも多いでしょう。今回は、内視鏡専門医・指導医の石岡先生に人間ドックのポイントを解説いただき、賢く受診するためのコツを伺いました。

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

編集部:

はじめに「人間ドック」と「健康診断」の違いを教えてください。

石岡先生:

健康診断は、視力や聴力、血圧、一般採血項目などの基本的な健康状態を確認するための簡易検査で、学校や職場で年に一度受けられることが多いものを指します。一方、人間ドックは、生活習慣病やがんなどの早期発見を目的として自発的に受ける、より詳細な検査を指します。

編集部:

人間ドックでチェックされる主な病気はなんでしょう?

石岡先生:

人間ドックは各医療機関によってさまざまなメニューがあり、検査ごとに対象とする疾患が異なりますが、一般的には各臓器の“がん”の早期発見に力を入れているメニューが多いですね。特に「胃がん」「大腸がん」「肺がん」「乳がん」「子宮頸がん」はがん検診の有用性の高い5大がん疾患として、厚生労働省でも検査を推進しています。

編集部:

5大がん疾患に対する検査の種類はどのようなものがありますか?

石岡先生:

胃がんに対しては、ABC検診(血液検査によってピロリ菌の有無と胃酸の分泌の状態を調べ、胃がんのリスクを判定する検査)、胃バリウム検査、胃カメラ検査。大腸がんに対しては、便潜血検査、大腸カメラ検査。肺がんに対しては、胸部レントゲン、肺CT検査がよくおこなわれます。乳がんに対しては、マンモグラフィ、超音波検査、MRI検査。子宮頸がんに対しては、HPV検査、内診、子宮頸部細胞診などから選択されることが多いですね。それぞれに長所・短所がありますので、各検査方法について正しい理解を深めて選択することが重要です。