猛暑で増える支出をエコノミストが分析 エアコン、冷蔵庫…家計を救う「夏の節約術」

AI要約

6月の半ばだというのに、まるで真夏の暑さが続いており、エアコンの使用が必須となっている。しかし、電気代の上昇や食品の値上がりなどで家計が圧迫されている状況。そこで、消費者は節約の知恵を絞りたいと考えている。

専門家による調査によると、暑い時期に特に売れ行きが良い商品やその他の影響が明らかになっている。さらに、家電製品の電力消費割合や節約術も紹介されており、節約の重要性が強調されている。

エアコンの設定温度を上げたり、冷蔵庫の設定を変えたりするだけで数千円の節約が可能である。さらに、LED照明への切り替えや節電意識を高めることで電気代を抑えることができる。

猛暑で増える支出をエコノミストが分析 エアコン、冷蔵庫…家計を救う「夏の節約術」

 6月の半ばだというのに、まるで真夏の暑さだ。テレビは連日のように「ためらわずにエアコンをつけて」と伝える。熱中症にならないために涼しさはもちろん大事だ。でも、電気代は高くなるばかり。猛暑を乗り切る賢い知恵はないものか……。

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 暑くなると、どんなものが売れて、何が売れなくなるか。毎年繰り返されるテーマだが、経済の専門家がしっかり調査したとなると関心度は違ってくる。

 何しろ電気代は6月利用分から値上がり。標準的な家庭で月に400円程度といわれるが、ガス代も上がった。こちらは月120円ほどだから合計は500円を超す。

「熱中症になったら困るので寝るときはエアコンをつけています。電気代がどれぐらいになるか。今から怯えています」(50代後半の主婦)

 食品の値上げも続いている。6月は海苔製品やチョコレート、ココアなど帝国データバンクによると614品目の価格がアップした。7月は円安の影響で約1年ぶりに一部のパンが値上がりする予定だ。

「定額減税で家計はちょっと楽になるかと思っていましたが、電気代や食品の値上がりで残念ながらそうもいきません。対策を考えないと……」(前出の主婦)

 第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏が「猛暑で増減する消費品目」を徹底調査した。

「2001年から23年までの東京の最高気温を基準にして、7月、8月の消費品目増減率の相関関係を調べました。相関関係がもっとも強かったのは電気代です。高温になるほど使用量は多くなります」(熊野氏)

 暑ければ暑いほど電気代はかさむ――予想通りとはいえ、電気補助金がなくなるタイミングでの猛暑到来だけに家計はつらい。

 経済産業省資源エネルギー庁の省エネポータルサイトでは「家庭における家電製品別の電力消費割合」を算出している。

 夏季に一番使うのはやはりエアコン(34.2%)。冷蔵庫(17.8%)、照明(9.6%)、炊事(6.5%)、給湯(6.1%)と続く。

 同サイトに「無理のない省エネ節約」がある。エアコンは「レースのカーテンやすだれで日差しをカット」「外出時は昼間でもカーテンを閉める」「扇風機を併用」とある。ここ1、2年の物価高でどれも身についた節約術とはいえ、あらためて頭に叩き込んでおいたほうがよさそうだ。

 エアコンの設定温度を27度から28度(1日9時間使用)に1度上げるだけで約940円の節約になる。1日の稼働時間を1時間短縮すると約580円の節約。それにフィルターを月に1~2回掃除すれば約990円の節約だ。この3つを実践すると、年間に2510円が浮く計算になる。

■冷蔵庫「強」→「中」で1910円の得

 冷蔵庫の節約術で最初にやるべきは設定温度の確認。「強」になっていたら、「中」「弱」に変更したい。「強」↓「中」で約1910円の節約になる。ただし、省エネポータルは「食品の傷みには注意」と促している。ドアを開けている時間を短く(20秒↓10秒)すると約190円得する。

 電力消費が多い3番目は照明。電球や蛍光灯をLEDに替えるのが最も効果的だが「すでに全部替えた!」という家庭も多いはず。こうなると小まめにスイッチをオフにするしかない。LED1灯(34ワット)の点灯時間を1時間減らすと約385円の節約。7.5ワットでも約85円の節約になる。

 電力消費量の多いトップ3家電を意識するだけで節約効果はかなり違ってきそうだ。