NTT、24万円の独自XRグラス『MiRZA』発表。AQUOSスマホと無線接続、世界初のSnapdragon AR2採用

AI要約

NTTコノキューデバイスが独自のXRグラス『MiRZA』を発表しました。スマートフォンとワイヤレス接続し、仮想映像や物体を空中に固定できる点が特徴です。

QualcommのSnapdragon AR2 Gen 1を搭載し、LetinAR社のミラーバー方式を採用しており、重量は約125gと軽量です。

対応スマートフォンは当初はAQUOS R9 SH-51Eのみで、価格は24万8000円です。

NTT、24万円の独自XRグラス『MiRZA』発表。AQUOSスマホと無線接続、世界初のSnapdragon AR2採用

NTTグループのNTTコノキューデバイスが、独自のXRグラス『MiRZA』(ミルザ)を発表しました。

かけると目の前の空間に映像が浮かぶいわゆるXRグラス、またはサングラス型ディスプレイ製品。

対応スマートフォンとワイヤレス接続することでケーブルの煩わしさがないこと、複数のセンサによる6DoF(六軸自由度)対応で仮想の映像や物体を空中に固定したり、近づいたり回り込む表現ができることが大きな特徴です。

QualcommのXRデバイス向けプラットフォーム、Snapdragon AR2 Gen 1を世界で初めて搭載します。

基本的な仕様は、映像部分が視野角45度、解像度1920 x 1080。XREAL や VITUREなど、空中に画面が浮かぶタイプのサングラス型ディスプレイと近い仕様です。

光学系には韓国LetinAR社のミラーバー方式を採用。レンズ部分に目立つスダレ状の部分がミラーバーです。

透過型で重要な輝度は1000ニトとさほど明るくないものの、メガネの外側にアタッチできるシェードが付属します(ハーフ遮光と全遮光の2種)。

メガネのフレーム上部、眉の前あたりにマイクロ有機ELディスプレイを配置する点は一般的なXRグラスと同じですが、XREALやVITURE等が上から来た光を斜めのハーフミラーに反射させて目に届ける「バードバス」光学系を採用するのに対して、LetinARのミラーバーはこのミラーを分散させて平面に配置したような仕組み。

XREALやVITURE等はサングラスの内側に斜めのミラーがある構造のため厚く、顔からやや浮きがちになりますが、MiRZAは薄型のミラーバー採用で、レンズ部分については一般的なメガネのような厚みに収まっています。重量は約125g。

(ただし、ミラーが薄くてもディスプレイや他の部品には厚みがあり、レンズを囲むフレームはかなり厚めです。)

センサーは左右レンズ外側の「智」部分にモノクロの空間認識カメラが計2つ、中央のブリッジ部分に写真や映像撮影できるフルHDのRGBカメラを1つ。

カメラは写真撮影に使えるほか、遠隔作業支援などの用途には動画のストリーミングも可能です。

企画・開発したNTTコノキューデバイスは、NTTコノキューとシャープの合弁会社。NTTコノキュー(QONOQ)は個人・法人に対して、XR / メタバース / デジタルツイン / XRデバイスといったサービス・ソリューションを提供する企業です。

MiRZAの場合、通訳アプリXRAI Glassを使い眼の前の相手の声をリアルタイムに翻訳・字幕表示する通訳アプリや、コノキューの遠隔作業支援ソリューション NTT XR Real Support 等に対応します。

基本機能としては、独自のホーム画面からウェブブラウザやSnapdragon Spaces対応アプリを起動でき、空間に複数のウィンドウを並べて頭の動きでブラウズできます。

このほか通話や写真撮影、3D映像の再生など。

一般にワイヤレスのスマートグラス製品は、ウェアラブルとして軽量化が必須なうえに体積も小さなメガネ型の本体にバッテリーやアンテナを内蔵する必要があり、ディスプレイだけでなく無線でも、センサや全体の制御をするプロセッサでもバッテリーを消費するのが難しいところ。

MiRZAの場合、満充電で約1時間から1.5時間使用できます。満充電までは、USB-Cケーブルで約2時間以下。

スマートフォンの画面を単純にミラーリングする仕組みではなく、スマホ側のアプリと連携が必要になるため、利用するにはSnapdragon Spacesに対応した指定の対応機種が必要になります。

当初の対応スマートフォンは、ドコモ / シャープのAQUOS R9 SH-51Eのみ。対応機種は今後も順次拡大予定としています。

希望小売価格は24万8000円。法人向けのほか、個人にも全国のドコモショップやオンラインショップ等で販売します。