ドコモの新料金プラン「eximoポイ活」は本当におトク? auやソフトバンクとの違いも徹底解説

AI要約

ドコモが新たにスタートしたポイ活プラン「eximoポイ活」は、dポイントを多く還元するため料金が高めに設定されているが、5000ポイントの上限でおトクになる料金プラン。

ペイトクやauマネ活プランと異なり、dカードが必須であるが、決済をdカードに寄せることで還元を受けやすい特徴がある。

キャンペーン終了後は、dカードGOLDがおトクな選択肢となるが、契約時点では考慮する必要がある。

ドコモの新料金プラン「eximoポイ活」は本当におトク? auやソフトバンクとの違いも徹底解説

 ドコモは、「ahamoポイ活」に続くポイ活プランの第2弾として「eximoポイ活」を8月1日にスタートしました。

 料金プランの契約でポイント還元率が上がる仕組みはahamoポイ活とほぼ同じですが、その還元対象に違いがあるほか、還元額などでも差が設けられています。eximoはドコモショップにも対応しており、店頭での申し込みも可能です。

 価格帯や仕組みが近いプランには、ソフトバンクの「ペイトク」があります。また、KDDIの「auマネ活プラン」も広い意味ではポイ活プランの一種と言えるでしょう。

 3社からこうした料金プランが出そろったことで、“ポイントを稼げる料金プラン”が徐々に主流になりつつあることが伺えます。

 ここでは、そんなドコモのeximoポイ活の中身や、他社との比較から浮かび上がる違いを見ていきます。

■ 3300円高い料金を5000ポイント還元で補う、トータルでおトクになるeximoポイ活

 eximoポイ活は、データ容量が最大で無制限になるeximoにポイ活要素を加えた料金プラン。dポイントでの還元が多くなるぶん、料金自体はeximoより高くなります。

 通常のeximoで3GBを超えた場合の金額は7315円。これに対し、eximoポイ活は1万615円と、3300円の値上がりになっています。また、eximoポイ活は段階制の料金プランではなく、無制限のフラット型。使ったデータ容量が少なくても、料金は安くならない点には注意が必要です。

 そのほかの割引に関しては、eximoとまったく同じ。「みんなドコモ割」と「ドコモ光/home 5G セット割」、さらに「dカードお支払割」の対象になっています。みんなドコモ割で家族3回線以上の場合は1100円、ドコモ光やhome 5Gの契約があればさらに1100円、料金の支払いをdカードでしていれば187円が基本の料金から割り引かれます。3つが適用された場合の金額は、8228円です。条件が同じため、通常のeximoとの差は常に3300円になります。

 3300円高いのは、eximoポイ活でポイント還元を多く受けられるため。その還元額の上限は、5000ポイントです。差額は1700円ぶん。ドコモの料金に充当した場合、5000ポイントが5500円になるため、差は2200円に開きます。別途、決済は必要ですが、上限までポイント還元を受けられるのであれば、通常のeximoよりも1700円ないしは2200円ぶんおトクになる料金プランと言えるでしょう。

 還元対象はdカード。dカードが支払元になっていれば、コード決済サービスのd払いでもOK。また、dカードは必ずしもプラスチックカードである必要はなく、iDも対象になっています。

 ahamoポイ活はd払いに限定されていた一方で、銀行や信用金庫、現金などでチャージした残高払いも還元の対象でした。

 これに対し、eximoポイ活は残高払いでは還元されず、dカードが必須になります。これによって還元対象になる決済が広がる半面、クレジットカードは契約も必要になるため、ahamoポイ活よりハードルはやや高めと言えるかもしれません。

 肝心の還元率は、終了期間未定のキャンペーンで10%に設定されています。この還元率は、dカード、dカードGOLDともに同じ。年会費がかからないぶん、eximoポイ活だけで考えればレギュラーのdカードの方がおトクになります。

 5000ポイントの還元を受けるには、5万円ぶんの決済が必要になります。この金額をどう捉えるかですが、日々の支払いをdカードに寄せていけば十分達成可能と言えるでしょう。

 毎日の食費などはもちろん、電気代、ガス代、水道代などの光熱費などの支払いも対象になるため、dカードを契約するというハードルさえ乗り越えれば、還元は受けやすい仕組みと言えそうです。

 一方で、キャンペーンが終わると、カードの種別ごとに還元率が変わり、dカードが3%、dカードGOLDが5%まで下がります。上限に達するにはdカードで16万6667円、dカードGOLDで10万円の支払いが必要になり、上限達成が難しくなります。

 毎月の可処分所得にもよりますが、2023年の消費支出は2人以上の世帯で30万円弱。夫婦2人の世帯だとしても、1人あたり15万円ほどです。

 そのため、すべての支払いをdカードに寄せても、eximoポイ活の上限達成に必要な金額を満たせません。どうしてもクレジットカードで支払えないものもあるため、dカードGOLDでギリギリといったところでしょう。キャンペーン期間中は達成しやすい反面、契約時には終了したときのことも考えておく必要がありそうです。

■ キャンペーン中は元を取りやすいが、終了後はdカードGOLD一択か

 もっとも、eximoポイ活の“元を取る”だけであれば、上限いっぱいまで還元を受ける必要はありません。通常のeximoとeximoポイ活の差額である3300円ぶんのポイントさえ還元されれば、おトクとは言えないものの、損もしていないからです。また、ポイントを携帯電話料金に充当した場合は、3000ポイントで元が取れます。

 では、まずキャンペーン期間中のケースで考えていきましょう。

 こちらはシンプルに、dカードであっても、dカードGOLDであっても、3万3000円ぶんの決済で3300ポイントがもらえます。

 ポイントを携帯電話料金に充当した場合には、3万円の決済だけでトントンになります。ランチ代を1日1000円だとすると、30日間で支払える金額。これに加えて光熱費などをdカードで支払えばそのぶんだけおトクになるため、eximoからの乗り換えはお勧めできそうです。

 キャンペーン終了後は当然ながらハードルは高くなりますが、上限いっぱいまで還元を受ける場合より、決済額は少なくて済みます。3%還元になる場合のdカードの場合は、11万円で3300ポイントを達成。3000ポイントを携帯電話料金に充当するなら、10万円で済みます。上限いっぱいの還元を受けるよりは、達成しやすそうな印象です。

 5%還元のdカードGOLDは、3300ポイントの達成に6万6000円の決済が必要。3000ポイントだと、6万円になります。先に挙げた平均的な消費支出を踏まえると、このぐらいであれば達成もしやすいのではないでしょうか。このように見ていくと、キャンペーン終了後にeximoポイ活でおトクさを感じるには、dカードGOLDがほぼマストと言えそうです。

 逆にレギュラーのdカードしか契約していないのであれば、無理やり損益分岐点超えを狙うより、通常のeximoにするか、dカードGOLDにアップグレードすることを考えた方がよさそうです。

 こうした仕組みを知れば知るほど、dカードGOLDへの誘導が強い料金プランに見えてきます。とは言え、これはキャンペーン終了後の話。終了期間も未定となっているため、dカードの契約者はとりあえず契約しておき、その間に、料金プランを戻すか、dカードGOLDを契約するかを考えておいてもよさそうです。

■ 導入ハードルの低いペイトク、auマネ活プランは広く薄く還元

 データ容量無制限の料金プランにポイ活要素を付け加えた料金プランという意味で、eximoポイ活はソフトバンクのペイトクに非常に近い仕組みと言えそうです。

 ただし、細かな点では違いもあります。1つ目は、ペイトクの選択肢。ペイトクはデータ容量が無制限(200GB上限はあります)のペイトク無制限のほか、50GBの「ペイトク50」、30GBの「ペイトク30」があり、ユーザーが選択できます。

 このデータ容量にPayPayのポイント還元率が連動している点は、ドコモのeximoポイ活との大きな違いと言えるでしょう。

 ペイトク無制限は5%、ペイトク50は3%、ペイトク30は1%で、データ容量の大きさとポイント還元率が連動しています。eximoポイ活はこの変動要素をクレジットカードに置き換えた料金プランと見ることもできます。

 また、ペイトクは上限額もデータ容量に応じて変動します。

 ペイトク無制限は4000ポイント、ペイトク50は2500ポイント、ペイトク30は1000ポイント。還元率と合わせて上限額を抑えることで、いずれのプランでも8万円~10万円の間で還元を受け切れるように設計されています。この点も、dカード、dカードGOLDの種別を問わずに5000ポイントを還元するeximoポイ活との違いと言えそうです。

 ペイトク無制限の料金は9625円。ポイント還元がつかない「メリハリ無制限+」は7425円のため、差分は2200円になります。上限いっぱいの4000ポイント還元を受けると、1800円ぶん、ペイトク無制限の方がおトクになると言えるでしょう。eximoポイ活の方が通常の料金プランとの差額が大きい一方で、還元を受け切った場合のおトクさは大差がありません。

 クレジットカードが不要で、かつ通常の料金プランとの価格差が小さいという意味では、ペイトク無制限の方が契約のハードルは低いと言えるでしょう。

 一方で、利用シーンが非常に広いPayPayでも、光熱費を自動で定期的に支払うような使い方はできません。ネットショッピングでも利用できないケースが多々あります。こうした点は、dカードに還元するeximoポイ活の優位性です。

□auマネ活プランとの違い

 KDDIも「auマネ活プラン」で近い仕組みを実現していますが、eximoポイ活やペイトクほど、直接的ではなく、どちらかと言えば、傘下の企業が展開する金融サービスとの連携が重視されています。

 auマネ活プランは、料金が「使い放題MAX 5G/4G」と変わらない代わりに、「家族割プラス」が適用されないといった特徴があります。この点は、料金そのものを上げているドコモやソフトバンクとの大きな差と言えるでしょう。

 割引が少ないぶん、auじぶん銀行の口座やau PAYカードを紐づけるだけで、毎月800円のau PAY残高特典が還元されます。

 一方で、au PAYの還元率アップは1%、月150ポイントまでと少なめ。

 au PAYゴールドカードでau PAYにチャージすると、1%、最大1200ポイントの還元を受けられたり、au PAYゴールドカードの支払いで還元率が0.5%上がったりする金融特典も用意されています。

 クレジットカードなりコード決済なりの1サービスに大きく特典をつけるのではなく、広く薄く還元するのがauマネ活プランと言えるでしょう。こうした特徴は、eximoポイ活やペイトクとの大きな違い。そのぶん、金融スキルが高くないといくらおトクになるのかが分かりづらいのが難点で、仕組みはかなり複雑です。こうした違いも踏まえつつ、各社のポイントを稼げる料金プランを選択するといいでしょう。