「これ、絶対ワンクリック詐欺だよな…」怪しすぎる英文メールを放置したら起きた“斜め上”の悲劇

AI要約

7月12日、筆者に英文のメールが届いた。シンプルに和訳すると「あなたのアカウントを登録しました。5日間のお試し期間を設けます。そのままなら自動的にプレミアム会員に移行します」との内容だった。新手のワンクリック詐欺かな。

7月12日、ある英文のメールが届いた。詳細を和訳して紹介する。「アカウントを作成していただき、ありがとうございます。アクセスの経緯は次の通りです。XXXXX(筆者のメールアドレス)。パスワード(勝手に作られたらしい)が5日間のお試し期間で開始されました。期間内にキャンセルしない場合、プレミアム契約が開始されます。」

クレジットカードに「1カ月分8823円」「海外利用」の請求が届き、会社は「アンドラ公国」で、サービス内容が怪しい。調査した結果、アンドラ公国が存在し、タックスヘイブンであることが判明。英文で問い合わせたが、やりとりは英文だったのに、謎の日本語返信が来た。

「これ、絶対ワンクリック詐欺だよな…」怪しすぎる英文メールを放置したら起きた“斜め上”の悲劇

 7月12日、筆者に英文のメールが届いた。シンプルに和訳すると「あなたのアカウントを登録しました。5日間のお試し期間を設けます。そのままなら自動的にプレミアム会員に移行します」との内容だった。「新手のワンクリック詐欺かな。英語とはまた、手が込んでいるな」と思ってそのまま放置していたら、本当にクレジット会社から8828円利用請求されて驚いた。いったい何が起こったのか、調べてみたところ……。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

● ワンクリック詐欺にしか見えない英文メールが届いた

 7月12日、ある英文のメールが届いた。詳細を和訳して紹介する。

 「アカウントを作成していただき、ありがとうございます。アクセスの経緯は次の通りです。XXXXX(筆者のメールアドレス)。パスワード(勝手に作られたらしい)が5日間のお試し期間で開始されました。期間内にキャンセルしない場合、プレミアム契約が開始されます。解約したい場合は次のリンクをクリックして手続きしてください。カード明細にはSMSINBOX ORG / LECOLM RTと記載されます。質問はこのメールか、サポートチームに連絡ください」とある。

 こんなわけの分からないサービスに登録した記憶はない。何のサービスを受けられるかも記載されていない一方的な内容。解約したい場合はリンクをクリックと書いてあるが、ワンクリック詐欺※に誘導するためのバナーに見える。当たり前だが、身に覚えのない、こんな怪しいバナーを踏んで、わざわざ解約手続きをするわけがない。いま思えば、これが相手の手口なのだろう。

 ※ワンクリック詐欺:URLをクリックしただけで不当な料金を請求される詐欺の手口

● クレジットカードに「1カ月分8823円」「海外利用」の請求

 17日、クレジットカード会社から「利用案内」「1カ月分8823円」とメールが届いた。内容は「海外利用」。うん?最近、海外旅行はしていないぞ……と不審に思い、利用先を調べてみると、会社は「アンドラ公国」で、実態がよく分からない「SMS利用サービス会社」を名乗っているようだ。

 メールには「5日間のお試し期間」とあったのに、その会社のホームページと思われる画面には「7日間無料」とあり、1カ月の利用料は「39.95ユーロ」(約6600円)と記載されていた。お試し期間も違うし、金額もクレジットカード会社から請求されたメールの内容と違う。

 怪しい。怪しすぎる。しかし、こちらも一応ジャーナリスト。当然「アンドラ公国ってどこ?」「SMSって、わざわざサービス料金支払う必要ってある?」と調べたが、筆者が不勉強なだけで、アンドラ公国は存在していた(※アンドラ国籍の皆様、申し訳ありません)。アンドラ公国はヨーロッパにあるタックスヘイブンだった。サービスの内容は分からなかった。

 とりあえず、相手が英文で送ってきたので、こちらも「サポートチーム」に英文で「こんな契約をした記憶はない。なぜ私のメールアドレスとクレジットカード情報を知っているのか。請求を取り消してほしい」と問い合わせた。しかし、やりとりは一貫して英文だったのに、23日に「お客様各位、サブスクリプションは正常にキャンセルされました。アカウントにこれ以上請求されることはありません。ご挨拶」と日本語で返信されてきた。