「春のヘッドフォン祭 2024」で見つけた傑作ヘッドホン10選

AI要約

qdcのイヤホン「SUPERIOR」をFitEarの須山氏がカスタマイズして生まれた「SUPERIOR EX」は、アルミケースと銀メッキOFCケーブルを採用し、音質が向上している。

FitEarの「MH335DW EX」は、初期モデルの見直しが行われ、低域がタイトに、解像度が上がって幅広く使えるモデルに進化している。

なお、「SUPERIOR EX」や「MH335DW EX」のサービスで既存ユーザーもアップグレード可能。

「春のヘッドフォン祭 2024」で見つけた傑作ヘッドホン10選

中国深センのqdcのイヤホン「SUPERIOR」をFitEarの須山氏が個人的にカスタマイズしたことが、きっかけで「SUPERIOR EX」が生まれたという。

「まあ、これ普通はありえないことですよね。競合他社、例えばトヨタと日産がコラボしてクルマ作りましたみたいな。本来、失礼な事ですね、俺のラーメンにコショウ入れるの?、みたいな感じで。それがqdcさんは懐が深くて本当に素晴らしい会社とのコラボになりました」と須山さんは語る。

「SUPERIOR EX」はドライバーはオリジナルと同じだが、音質を追求してアルミケースを採用、さらに音色の問題から銀メッキOFCケーブルに変更されている。価格は3万3000円。

「ウチでやろうとすると、このクラスの製品だと、価格は7~8万円でないと難しいですね。qdcさんのノウハウとリソース、人材的な所で可能なんだと思います」と須山さん。

ノーマルの「SUPERIOR」は1万4300円、こちらを聴いてから「SUPERIOR EX」を聴くと、高域の変化が著しい。

尖った部分がなくなりボーカルは滑らかになり、音量を上げても耳に刺さる音がなくなった。空間の描き方も精緻になっている。全体的に硬質でカッチリとした音がEXでは少し優しくなりホッとできる。

カッチリと厳しい音なら無印のSUPERIORなので、どちらがいいかは試聴して決めていただきたい。

私が初めて体験したカスタムIMEがFitEar「MH334」である。MHはマスタリングエンジニアの原田光晴氏が監修したことを意味する。これをダブルウーハー化したのが「MH335DW」なのだ。

発売は2012年とかなり初期のモデルとなる。今聞いてみると低音の量感がある。有り過ぎると言っても過言ではない。「MH335DW EX」は現在のイヤホン開発担当の堀田息吹氏と製品開発顧問の原田氏による音の見直しが行われ、ネットワークに使うパーツなども変更して音を詰めている。

本来、ステージ向けのモデルだったが、リスニングも含めて幅広く使えるモデルに生まれ変わったという。

実際に比較試聴すると、低域がタイトになり、解像度も上がっている。それに合わせて高域が伸びて、全体にワイドレンジ化を果たしている。

同じドライバーを使っているのにチューニングだけで、こんなに音が変わるとは思わなかった。「MH335DW」ユーザー向けにEXへのアップグレードサービスもおこなっている。