ベアボーンなら約3.7万円のRyzen 5 6600H搭載ミニPC!GMKtec「NucBox M6」

AI要約

GMKtecがRyzen 5 6600H搭載のミニPC「NucBox M6」を販売中。性能や価格など様々な特徴を持つ。

性能や拡張性に優れ、コストパフォーマンスも高い。ベアボーンモデルを選ぶ際にはメモリやM.2 SSDの余裕も考慮すると良い。

デスクトップPCの出番を減らすほどの完成度があり、普段使いに適したミニPCと言える。

ベアボーンなら約3.7万円のRyzen 5 6600H搭載ミニPC!GMKtec「NucBox M6」

 現在GMKtecは、Ryzen 5 6600H搭載のミニPC「NucBox M6」を販売中だ。ベアボーン、16GB+512GB、32GB+1TB、3モデルある中、最上位モデルが編集部から送られてきたので試用レポートをお届けしたい。

■ NucBoxシリーズでは唯一Ryzen 5搭載ミニPC!

 同社のサイトでAMD系ミニPCページを眺めると、NuBoxシリーズとして、K8、K4、K6、K5、M5(アップグレード版)、そして今回ご紹介するM6が並んでいる。

 NucBox K7の情報はどこ? と言う話はさておき、ほとんどがRyzen 9か7搭載機(ただし世代違いが混じっている)。5搭載機は本機、M6のみとなる。

 シリーズ的には最下位モデルだが、Ryzen 5 6600H搭載なので、安価なN100などとは次元の違うパフォーマンスを叩き出す。主な仕様は以下の通り。

 プロセッサはZen 3+アーキテクチャのAMD Ryzen 5 6600H。6コア12スレッド、クロック3.3~最大4.5GHz、キャッシュ 16MB/L3。Ryzen 7でも9でもないので、ミドル(ロー? )レンジのSKUとなる。

 メモリはDDR5-4800×2の計32GB。SO-DIMM×2で最大64GBにまで対応する。ストレージはM.2 2280の1TB。M.2スロット自体は2つあり、もう1つSSDを増設可能だ。OSはWindows 11 Pro。23H2だったので、この範囲内でWindows Updateを適応し評価した。

 グラフィックスはプロセッサ内蔵Radeon 660M。モニター出力用にDisplayPort、HDMI 2.0、USB Type-Cの3つを装備している。

 ネットワークは2.5Gigabit Ethernet×2、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2。そのほかのインターフェイスは、USB 4、USB 3.1×3、USB 2.0×1、3.5mmジャック。このクラスで2.5Gigabit Ethernet×2とUSB4搭載はポイントが高い。

 サイズは約125×125×47cm(実測)、重量532g(実測)。価格は順に約3万7,008円(ベアボーン)、約4万8,273円(16GB+512GB)、約7万5,628円(32GB+1TB)。32GB+1TBモデルでも大幅に10万円を下回っており購入しやすい。またメモリやM.2 SSDが余っていればベアボーンだと約3.7万円だ。

 後半のベンチマークテスト結果をご覧いただければ分かると思うが、最新鋭のプロセッサ搭載機と比較しても、実はその差は大したことなく(? )、であればいっそこの価格で……と言う考え方もありだろう。

 筐体は5月にご紹介した「NucBox K9」と瓜二つ。既に手元にはないため直接比較はできないものの、おそらく色違いの同じ筐体ではないだろうか。本体532g、ACアダプタ387g。2つ合わせても1kgを下回り、カバンに入れ持ち運びも容易だ。

 前面は電源ボタン、3.5mmジャック、USB4、USB 3.1×2。背面にUSB 2.0、USB 3.1、DisplayPort、HDMI、2.5Gigabit Ethernet×2、電源入力を配置。裏面は、マウンタ用のネジ穴がある。

 付属品はACアダプタ(サイズ約142×62×35mm、重量387g、出力19V/6.32A)、HDMIケーブル、マウンタ。

 いつものキーボード付きモバイルモニターへの接続は、USB4があるので、USB Type-Cケーブル1本でOK。BIOS呼び出しは通常の[DEL]キーではなく、[ESC]キーとなる。

 内部へのアクセスも「NucBox K9」と同じ。裏のゴム足の下にネジはなく、単に天板が爪て引っかかっているだけなのでまずそれを外す。中にもう1つパネルがあり、これは四隅にネジがある。またこのパネルにはファンが付いており、ケーブルが本体側につながっているため、無理に外すと断線するかもしれないので要注意だ。これでSO-DIMM×2とM.2×2にアクセスできる。

 ノイズは耳を筐体へ近づければ聞こえるレベル。発熱はベンチマークテストなどCPUへ負荷をかけると、左サイドと裏、そして天板が少し熱を持つ。とは言え、暖かい+α程度の温度なので気にすることもないだろう。

 総じて完成度は高く、安価だから……的な部分はない。ほかのメーカー製もそうだが、近年ミニPCの健闘ぶりは驚きに値する。一般的な用途でかつ、筆者の様に巨大なGPU(笑)でも入れる予定がない限り、デスクトップPCの出番は大きく減りそうだ。

■ Core Ultra 5には劣るものの普段使いなら十分なパフォーマンス!

 初期起動直後は、壁紙などの変更や追加アプリなどもなくWindows 11 Pro標準のまま。6コア/12スレッド、32GB/1TBの構成なので一般的なアプリであればストレスも感じず操作できる。

 ストレージはM.2 2280 1TB SSDの「AirDisk 1TB SSD」。検索してもネット上に仕様はなく、詳細は不明だが、CrystalDiskMarkでシーケンシャルリード2,482.806 MB/s、シーケンシャルライト1,853.870 MB/sとあまり速くない。C:ドライブのみの1パーティションで約952GBが割り当てられ空き898GB。

 2.5Gigabit Ethernetは「Realtek Gaming」、Wi-FiとBluetoothは「RZ616」となる。

 ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、Cinebench R23、CrystalDiskMarkを使用した。5月に同社のCore Ultra 5搭載、「NucBox K9」をご紹介したが、その時のスコアを併記する。

 まず気になるのはストレージが結構遅い点。これは価格相応と言ったところだろうか。Cinebench R23はどちらも少し負けている。しかしPCMark 10はProductivityが調子いい。3DMarkはIntel Arc graphicsに軍配があがる。

 確かに比較すると少し遅いのだが、価格が32GB+1TB比較で約7万5,628円対約13万2千円。価格差1.7倍と考えれば、かなり健闘している方ではないだろうか。

 以上のようにGMKtec「NucBox M6」は、AMD Ryzen 5 6600Hを搭載したNUCタイプのミニPCだ。構成の違いでベアボーンからメモリ32GB+1TB SSD搭載モデルがあるが、いずれも結構安い。もちろんその分、10万円クラスのミニPCから少しパフォーマンスは落ちるものの、目くじらを立てるほどでもなく、コストパフォーマンスは非常に高い。

 最新鋭並みの速度は必要ないが、安価で普通に使えるミニPCを探しているユーザーにピッタリな1台。特にメモリやM.2 SSDが余っていれば、ベアボーンモデルをお勧めしたい。