「今後のロードマップやコミュニティーに変更はない」--Splunkとシスコがトップ対談

AI要約

SplunkはCisco Systemsに買収されてから初めてのカンファレンスを開催し、Forbes Global 2000企業のダウンタイムコストに関する調査結果を発表した。

Steele氏はデジタル環境での障害が企業に与える影響について警鐘を鳴らし、デジタルレジリエンスの重要性を強調した。

SplunkとCiscoの統合により、より優れた可視性と洞察力を提供することを目指している。

 Splunkは米国時間6月11~14日、米国・ラスベガスで年次カンファレンス「Splunk .conf24」を開催している。SplunkがCisco Systemsに買収されてから初めてのカンファレンスになる。初日の基調講演には、CiscoのGo-to-Maket(GTM)担当プレジデントでSplunkゼネラルマネージャーのGary Steele氏が登壇した。Cisco 会長 兼 最高経営責任者(CEO)のChuck Robbins氏もゲストとして登場するなど、盛り上がりを見せた。

 Steele氏はまず、同社が実施した最新の調査結果を紹介した。これは、想定外のダウンタイムの直接的なコストと隠れたコストに焦点を当てたもので、Forbes Global 2000企業のダウンタイムコストは総額で年間4000億ドルに達することが判明した。デジタル環境で予期せぬ障害が発生すると、1社当たり年間利益の9%の損失が生じることになるとしている。

 加えて、1回のインシデントで株価は最大で9%低下し、その回復には79日を要することもあるという。Steele氏は、調査結果について「ビジネスの中断は避けられない問題だ。デジタルシステムで予期せぬ障害が発生すると、収益が大幅に低下したり規制違反として罰金が科されたりするだけでなく、顧客からの信頼を失いブランドイメージが損なわれるリスクがある。組織のレジリエンスを強化するための基本は、デジタル環境全体で問題を素早く検出して修復するための、セキュリティとオブザーバビリティに対する統合的なアプローチを取り入れることだ」とコメントする。

 その上で、同氏は「Splunkの使命は、社内外のネットワーク、広範なインフラ、アプリケーションなど、デジタルフットプリント全体にわたってデジタルレジリエンスを提供することにある」といい、「業界をリードするオブザーバビリティとセキュリティのソリューションを統合プラットフォームで提供することに注力している」と強調した。

 Splunkは、Gartnerが発表するマジッククアドラントのセキュリティ情報およびイベント管理(SIEM)部門と、アプリケーション性能監視(APM)およびオブザーバビリティ部門の両方でリーダーのポジションに位置づけられている。

 「Ciscoと一緒になることで、ネットワーク全体、エンドポイント全体、デバイス全体にわたって、より優れた可視性、より優れた洞察力を得ることができる」(Steele氏)

 Ciscoは、2023年9月にSplunkを約280億ドル(当時約4兆1000億円)で買収すると発表しており、2024年3月に同社の買収を完了したことを明らかにした。

 講演では、Cisco CEOのChuck Robbins氏が壇上に駆けつけ、Steele氏と対談。両社の統合によるシナジーや、今後の方向性について語り合った。