Huaweiの新ハイエンドスマホ「Pura 70 Ultra」を試す 制裁下でこの性能は“魔法を使っている”と思わせるほど

AI要約

新型スマートフォン「Pura 70」シリーズが話題を集める中、筆者は「Pura 70 Ultra」の実機を入手しレビュー。プロセッサやメモリ、カメラ性能、バッテリーなど主なスペックを紹介。

搭載されたプロセッサ「HiSilicon Kirin 9010」の性能や詳細、ベンチマークテスト結果を解説。グラフィック性能も高く、一部ゲームでの最適化も進んでいる。

実際に利用してみた結果、高性能なプロセッサを搭載しており、動作にストレスを感じない。大容量メモリも魅力的。

Huaweiの新ハイエンドスマホ「Pura 70 Ultra」を試す 制裁下でこの性能は“魔法を使っている”と思わせるほど

 GalaxyやXiaomiといった新型スマートフォンに沸き立つ中、中国ではHuaweiの最新スマートフォン「Pura 70」シリーズが話題を集めている。Puraシリーズは、従来の「P」シリーズから名称を変更したハイエンド系のシリーズ。

 今回、筆者は「Pura 70 Ultra」の実機を入手したので、レビューしよう。今回のレビューは電波法第103条の6の解釈のもと「海外で開通した携帯電話」を持ち込んで確認を行った。

 まずは、主なスペックを見ていこう。

・プロセッサ:HiSilicon Kirin 9010

・メモリ:12GB

・ストレージ:512GB/1TB

・画面:6.76型 フルHD+ OLED 120Hz対応

・アウトカメラ:メイン:5000万画素 27mm相当 F1.4-4.0超広角:4000万画素 13mm相当 F2.2望遠:5000万画素 95mm相当 F2.1

・インカメラ:1300万画素

・バッテリー:5200mA/h 100W急速充電 80W無接点充電対応

・衛星通信対応

 Pura 70 Ultraが採用しているプロセッサは、HiSilicon Kirin 9010を搭載していることが判明している。中国の半導体ファウンダリーであるSMICにて製造されており、製造プロセスは7ナノメートルと判明している。

 これはMate 60 Proに採用された「Kirin 9000S」とは異なるもので、新型の製品と考えられる。HuaweiのPuraの前にあたる「Pシリーズ」で新型のプロセッサが採用された例はまれだ。

 プロセッサのコア数は1+3+4の8コアだが、プライムコアとビッグコアの4コアが1コア2スレッドを担える仕様と判明している。Intelのプロセッサにある「ハイパースレッディング・テクノロジー」と同じようなものだ。そのため、システム情報表示アプリでは「12コア」と表示される。Kirin 9010はスマホ向けプロセッサとしてはKirin 9000S同様の8コア12スレッドのSoCと考えるべきだ。

 このような書き方をする理由として、メーカーの公式サイトなどの情報にはプロセッサの記載が一切ないからだ。加えて、プロセッサに関しては発表会も行われることなく発売されたため、購入者が調査する必要がある。

 そんなKirin 9010の基本性能は決して低くなく、昨今のハイエンドスマートフォンに匹敵する性能を持ち合わせる。名称から察するにMate 60 Proに採用されたKirin 9000Sのマイナーチェンジと思いきや、コア構成が一部変更されていることも判明した。グラフィックスに関しては、GPUにKirin 9000S同様の「Maleoon 910」を搭載していることが判明している。

 気になる性能について、簡単にベンチマークテストを行った。筆者が計測したベンチマークスコア(パフォーマンスモード)では、GeekBench 6でシングル1435点、マルチ4414点だった。これはGoogle Pixel 8などに採用されるTensor G3よりも高いスコアで、マルチコアではKirin 9000Sの20%増のスコアが出ている。

 グラフィック性能は3D Markで計測した。結果はWILD LIFE(Vulkan)で5710という結果で、これはTensor G3に迫るスコアだ。

  また、「原神」などの一部ゲームでは高度な最適化も行われていることが判明している。ベンチマークテスト上での数字で劣るプロセッサながら、原神の動作感はSnapdragon 8 Gen 2クラスを採用する機種にも引けを取らないのだ。

 スマホとして使ってみると、上記のような性能を持つだけあって、動作にストレスは感じない。パフォーマンスモードで使用してもバッテリー消費はさほど多くなく、問題なく利用できる。メモリは12GBで、8GBが多かったHuaweiとしては大容量の構成だ。