<僕のヒーローアカデミア>罪を犯した生徒と対峙する相澤に「理想の先生すぎる」と反響 久しぶりの発目の登場に雰囲気が一変する場面も

AI要約

青山優雅の裏切りが判明し、1年A組の生徒たちは愕然とする。しかし、担任の相澤消太が青山に手を差し伸べ、自分たちと共にヒーローとして再出発しようとする姿勢が描かれる。

生徒たちは青山を救おうと奮闘し、デクは青山をAFOから解放するための方法を模索する。一方、オールマイトらはAFOと死柄木の分断を目指し、対策本部を立ち上げる。

サポート科の発目が登場し、雄英バリアの強化に取り組む姿が描かれる。相澤の教師としての矜恃や友情に満ちた言葉にSNSでは感動の声が寄せられる。

<僕のヒーローアカデミア>罪を犯した生徒と対峙する相澤に「理想の先生すぎる」と反響 久しぶりの発目の登場に雰囲気が一変する場面も

堀越耕平による大人気コミックを原作としたTVアニメ「僕のヒーローアカデミア」(毎週土曜夕方5:30-6:00、読売テレビ・日本テレビ系/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)の第142話が5月25日放送された。青山優雅の裏切りが判明し、愕然とする1年A組の生徒たち。それでもみんなが差し出した手を青山に取らせようとする担任の相澤消太が「MVヒーロー」#ヒロアカMVP を獲得した。(以下、ネタバレを含みます)

■「僕のヒーローアカデミア」

本作は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて2014年32号より連載中の堀越耕平による人気コミックを原作としたアニメ作品。総人口の約8割が何らかの超常能力“個性”を持つ世界を舞台に、“無個性”の少年・緑谷出久(通称:デク、CV:山下大輝)が、憧れのNo.1ヒーロー・オールマイトの“個性”を受け継ぎ、名だたるヒーローを多く輩出する雄英高校のクラスメイトたちと共に最高のヒーローを目指していく物語だ。

“ヒロアカ”の愛称で親しまれ、原作漫画は現在40巻まででシリーズ世界累計発行部数が1億部を突破。現在テレビアニメ第7期が放送中、さらに劇場版第4作「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト」が8月2日に公開予定となっている。

■青山に手を差し伸べる1年A組の生徒たち

USJ(ウソの災害や事故ルーム)や林間合宿での敵(ヴィラン)襲撃を手引きした、雄英内の内通者は青山優雅(CV:桑野晃輔)だった。生まれつき“無個性”だったことを危惧した両親の依頼を受けたオール・フォー・ワン(AFO/CV:大塚明夫)から“個性”ネビルレーザーを与えられて以来、その支配下にあった青山。デクは仲間の裏切りに衝撃を受けながらも、青山の中に残る良心を信じて「君はまだヒーローになれる」と手を差し伸べる。1年A組のクラスメイトたちもデクと気持ちは同じだった。

青山がこちら側にいることを逆手に取り、AFOを欺こうとするデク。その提案に、飯田天哉(CV:石川界人)も賛同する。青山の裏切りはもしかしたら誰かの死を招いていたかもしれない。けれど、それはもはや過去のことであり、デクが提案したのは、これから再び青山と自分たちが対等な関係になるために唯一の方法だと大人たちに訴えかける飯田。

「5発くらいハウザーぶちこんでトントン」と、いつもと変わらない爆豪勝己(CV:岡本信彦)の粗暴な発言もある種の優しさだろう。切島鋭児郎(CV:増田俊樹)も「まだ一緒に踏ん張れるんだよ 俺たち!」と必死で訴え、みんなが青山を絶望の淵から救い出そうとする。入学からまだ1年ほどしか経っていないが、デクたちはあらゆる困難を全員で乗り越えてきた。その中で生まれた強固な絆が青山を救おうとする彼らの姿から伺えて、思わず胸が熱くなった。

一方で、AFOを欺くといっても具体的な方法までは思いついていなかったデク。代わりに担任の相澤消太(CV:諏訪部順一)が警察の塚内直正(CV:川島得愛)に思いついた方法を伝える。青山次第ではあるが、実現性の高い方法として準備が進められることになった。

■発目明の登場でシリアスなムードが一変!

仲間である青山がAFOに長年苦しめられていたことを知り、「絶対に勝つ」と気持ちを新たにした1年A組の生徒たち。万全を期すため、前回の敵(ヴィラン)たちとの戦いで壊れたコスチュームを直すべくデクと飯田はサポート科を訪ねることに。開発工房のドアに手をかけた瞬間、中から爆発とともに発目明(CV:櫻井しおり)が飛び出してくる。下敷きになりながらも、険しい顔のままなデクが面白い。先ほどまでのシリアスなムードが、笑顔溢れる発目の登場で一気に明るい雰囲気となった。

飯田がコスチュームの修理を頼むと、発目はキョトンとした様子で「普段通りアイテム事務所に頼めばいいじゃないですか!」と首を傾げる。現在は死柄木弔(CV:内山昂輝)率いる敵(ヴィラン)の暴走で国は混乱状態にあり、流通も機能していないため、発目の言葉に飯田もキョトン。話がイマイチ噛み合わないのは、発目が外の状況を把握していないからだった。

けれど、ヒーローたちが窮地に追い込まれていることは理解しており、発目は“あること”に没頭していた。“あること”とは、雄英教師のパワーローダー(CV:北沢洋)が開発主任を務める「雄英バリア」の強化。特異な活力と発想で避難発動時の新機構の発明にのめり込んでいた。サポート科の使命はヒーローたちがより多くの人を守れるように試行錯誤すること。「発明がサポート科の“ヒーロー活動”なんです」という発目の頼もしい言葉にデクたちは勇気付けられる。デクと飯田はコスチュームの修理は断られてしまったものの、発目が即急に作り出した類似装備を受け取り、サポート科を後にした。

■青山と対峙する相澤に「理想の先生すぎる」の声

デクと飯田が戻ると、Mt.レディ(CV:名塚佳織)と1年A組の生徒たちが揃っていた。今はAFOや死柄木ら敵(ヴィラン)の早期発見と掃討が最善策であり、「戸惑い足を止める事こそ相手の術中!」とデクたちを鼓舞するMt.レディ。1年A組は彼女のもと、デク、爆豪、轟焦凍(CV:梶裕貴)を中心に3班に展開し、捜索隊に加わることとなった。

その頃、いくつかの警察署が重要施設であるセントラル病院に拠点を移し、対策本部を立ち上げる。オールマイト(CV:三宅健太)も対策本部に加わり、会議に参加。敵(ヴィラン)を倒すための必須事項として、AFOと死柄木の分断を挙げる。

スターアンドストライプ(CV:朴ロ美)との戦いを見るに、今やAFOを優に超える強さを手にしている死柄木と、複数の“個性”と強さを所持しているAFO。その2人の思考共有がどこまで可能かも不確定な今、揃って出てこられたらヒーロー側に勝ち目はないとオールマイトは踏んでいる。そのため、来たる決戦においては死柄木とAFOを最低でも10kmは引き離すことを目標とした。

だが、荼毘/轟燈矢(CV:下野紘)やトガヒミコ(CV:福圓美里)らが足かせとなる可能性は高い。まずは敵(ヴィラン)たちをおびき寄せ、彼らを分断する必要がある。それには青山の協力が不可欠。しかし、AFOから恐怖の種を植えつけられた青山は怯え、クラスメイトたちから差し伸べられた手を取れずにいた。そんな青山に相澤はあえて「戦え 戦うしかないんだ、おまえは」と圧をかける。彼をAFOの支配から解放するために。

相澤やプレゼント・マイク(CV:吉野裕行)の同期である白雲朧(CV:小野賢章)は死後、脳無に改造され、もう元には戻らない。そのことで血が煮えたぎるほど悔しい思いをした相澤の「惨めで情けなくても 手を差し出してくれた友と歩め」という言葉は重い。まだ青山はやり直せる。恐怖を乗り越え、クラスメイトたちが差し出してくれた手を取れば、対等な仲間として生きていける。

青山が罪に苛まされたまま生きることを許さない相澤の教師としての矜恃に、SNSでは「理想の先生すぎる」「最高の担任で最高のヒーロー」「相澤先生の生徒は幸せもんやなぁ」「漫画でも大号泣してたけどアニメで声ついて諏訪部さんのお声で相澤先生のあの台詞聞けるのずるすぎ…泣いた…」といった声が集まった。なお、アニメ『僕のヒーローアカデミア』では各話で一番活躍した、あるいは印象に残ったMVPキャラクターを視聴者の投票ツイートの結果で表彰しており、第142話では相澤が1位に選ばれた。

※朴ロ美のロは、王へんに路

■文/苫とり子