正義感、友情、下心…揺れ動く週刊誌記者・稲垣吾郎 『あんのこと』入江悠監督「独特の居心地の悪さを絶妙に体現してくれました」

AI要約

機能不全の家庭に生まれ、虐待の末に薬物に溺れる少女・杏。人情味あふれる刑事・多々羅や週刊誌記者らに出会い、希望を見いだしていく実話を基にした映画『あんのこと』が6月7日公開。

ジャーナリストの桐野を演じた稲垣吾郎の登場シーンが到着。桐野は介護の仕事を紹介し、薬物更生者の活動を取材している。演技を称賛する監督の言葉も。

稲垣は役作りに苦労したが、揺れる心情を体現。社会に必要な映画であると語る。撮影風景も公開に。

正義感、友情、下心…揺れ動く週刊誌記者・稲垣吾郎 『あんのこと』入江悠監督「独特の居心地の悪さを絶妙に体現してくれました」

 機能不全の家庭に生まれ、虐待の末に薬物に溺れる少女・杏(河合優実)。人情味あふれる型破りな刑事・多々羅(佐藤二朗)や、更生施設を取材する週刊誌記者らに出会い、生きる希望を見いだしていくが…。

 実話を基にした映画『あんのこと』(6月7日公開)。その中で、週刊誌の編集部で働くジャーナリストの桐野を演じた稲垣吾郎の登場シーンが到着した。

 桐野は、杏に小さな老人ホームで介護の仕事を紹介する一方、3年前から多々羅と、彼が手掛ける薬物更生者の自助グループ・サルベージ赤羽の活動を取材している。

 今回解禁となった場面写真には、最低限の荷物を持って家を飛び出した杏を多々羅とともに迎えるシーンや、ある衝撃的な事実に呆然とし腰を抜かす姿、編集部での様子が切り取られている。

 桐野が自分の心情を語るセリフは劇中では一切ない。そのため、稲垣は役作りに苦労したというが、入江悠監督はその演技を称賛する。

「桐野という人物が抱える独特の居心地の悪さ、どっちつかずの葛藤みたいなものを、稲垣さんが絶妙に体現してくれました。

 シーンによっては無表情で、何を考えているのか見えにくいこともある。でもトータルの芝居には何とも言えない揺れが滲むんです。見事だと思いました」

 稲垣自身は桐野をどのように捉えていたのか。

「ジャーナリストとしての正義感と、二人との友情と、一会社員としての下心。いろんなところで揺れ動く役なので、それが上手く伝わってればいいなと僕も迷いながらやりました。

 答えがひとつではない映画ですが、いまの社会にとって必要な映画だと僕は思います」

 また、このたび撮影風景も公開に。喫茶店や取調室での稲垣の登場シーンの様子を垣間見ることができる。

『あんのこと』は6月7日公開。