「めっちゃ重い…」90年代の名作恋愛ドラマ「悲しすぎる最終回」 当時15歳・深キョンの名演技も…

AI要約

1990年代に人気を博した恋愛ドラマ『この世の果て』について振り返る。物悲しいラストを迎える本作は、野島伸司の脚本で話題を集めた。

物語は、主人公まりあと天才ピアニスト士郎の暗い過去と愛情を描く。士郎のハードな人物像とまりあの献身的な愛が中心になる。

物語は記憶喪失に終わるが、“無償の愛とは何か”を問う内容に多くの視聴者が共感。主題歌の尾崎豊の楽曲も物悲しい雰囲気を盛り上げた。

「めっちゃ重い…」90年代の名作恋愛ドラマ「悲しすぎる最終回」 当時15歳・深キョンの名演技も…

 まだスマホが普及していなかった1990年代。夜のほっとひと息する時間に、テレビドラマを楽しんでいた人も多かっただろう。

 90年代に人気だったドラマは、今では思わず「懐かしい!」と声を上げたくなるような俳優や歌手も出演していた。当時はバブルが崩壊したあとの時代背景もあってか、物悲しいラストを迎えるドラマも多かったように思う。

 今回は、そんな90年代に人気を博した話題の恋愛ドラマを振り返ってみたい。

 『この世の果て』は、1994年1月よりフジテレビ系列で放送された月9ドラマである。脚本は90年代のドラマ界を席巻した野島伸司さん。野島さんは『高校教師』や『人間・失格 ーたとえばぼくが死んだらー』といった話題性のあるドラマを手がけているが、本作は野島さんの脚本のなかでも“史上最悪なダークドラマ”と言われている。

 物語のあらすじはこうだ。主人公の鈴木保奈美さん演じる砂田まりあは、昼は郵便局、夜はホステスとして働き、桜井幸子さん演じる目の見えない妹・ななの手術費用を稼いでいた。

 そんなまりあは三上博史さん演じる天才ピアニストの高村士郎と出会う。まりあも士郎も人には話せないような暗い過去を持ちつつ恋に落ちるが、茨の道が待っているのであった。

 士郎は、ピアニストの道を断つために士郎が自ら手を傷つけたり、薬物に溺れたりと、なかなかハードな人物。しかし、まりあは、そんな士郎をひたすら献身的に愛する。

 そして最終回には、まりあは士郎の暴力によって、子どもを流産。彼の元を離れ、御曹司の征司と結婚を決意する。だが、結婚式当日、征司とヘリコプターで飛び立ったまりあは、地上に士郎の姿を発見。“ひとこと話したい”と、上空から飛び降りてしまうのだ。

 最終的には、士郎とまりあが共に過ごすシーンで終わるが、まりあは記憶喪失になっていたりと、正直ハッピーエンドとは言えない。しかし“無償の愛とは何か”を問う内容に、多くの視聴者が釘付けになった。

 主役の鈴木さんは、『東京ラブストーリー』で一世風靡した人気女優だ。本作では髪の毛をバッサリとショートにし、タバコを吸うなどサバサバした役柄が話題になった。また若き頃の大浦龍宇一さんや、まりあにひかれる御曹司役の豊川悦司さんもクールでカッコよかった。

 全体的に物悲しいドラマだが、脚本や出演者だけではなく、主題歌だった尾崎豊さんの『OH MY LITTLE GIRL』も印象的だった。物悲しいメロディは本作の雰囲気にマッチし、シングルの売上は100万枚を超える大ヒットとなった。