浅野忠信主演映画『ヴィタール』20周年記念上映決定 塚本晋也監督のトークイベントも

AI要約

映画『ヴィタール』の公開20周年記念上映が決定。監督は塚本晋也、主演は浅野忠信。青年の記憶喪失と愛を描く作品。

交通事故から一命を取り留めた青年が、記憶を失ったまま大学医学部に入学し、遺体の解剖実習を通じて新たな記憶を探す物語。

現在全国で上映が決定。映画に出演した柄本奈美やKIKIらの共演も話題に。監督のトークイベントも10月11日に開催予定。

浅野忠信主演映画『ヴィタール』20周年記念上映決定 塚本晋也監督のトークイベントも

 浅野忠信が主演、塚本晋也が監督を務めた映画『ヴィタール』の公開20周年記念上映が決定した。

 本作は、『鉄男』『東京フィスト』『バレット・バレエ』などそれまで都市に生きる人間の葛藤を描いてきた塚本監督が、人の記憶を失った青年の愛と記憶の旅を描いた2004年公開の映画。

 交通事故からかろうじて一命を取り留めた青年・高木博史(浅野忠信)。だが彼は、一切の記憶を失っていた。父・隆二(串田和美)や母・慎子(りりィ)の顔さえわからない。しかしなぜか医学書にだけは興味を示し、やがて大学の医学部に入学する。2年生の必須科目である解剖実習が始まり、博史の班に若い女性の遺体が割りあてられた。その遺体の左腕に刺青がある。記憶の空白を埋めるかのように解剖にのめり込んでいく博史は、解剖を続けるにつれ、現実とは異なる世界へとフラッシュしていく。それは、左腕に刺青のある涼子(柄本奈美)という女性と一緒に過ごす、甘く切ない記憶を超えた世界だった。彼はもうひとつの世界で涼子と共に生きることを決めるが……。

 主演の浅野が演じたのは、記憶のない医学生・高木博史。そして、彼を取り巻く2人のヒロインをバレーダンサーの柄本奈美とKIKIが演じ、國村隼、岸部一徳、木野花らが共演に名を連ねた。

 なお、現在全国7館での上映が決定しており、10月11日は池袋新文芸坐で上映後、塚本監督のトークイベントも予定されている。各劇場では、当時のパンプレットなども販売される予定だ。

塚本晋也(監督)コメント

20年の時を経て、『ヴィタール』が大スクリーンに蘇ります。

人間の記憶や精神はどこにあるのだろう、と実際の解剖実習にも立ち会い、考察した映画です。

それまで都市の閉塞感とそこに生きる人々の葛藤を描いてきましたが、この映画で大きな自然の世界に突き抜け、後の『野火』などにつながるきっかけとなった映画になります。

当時35ミリフィルムで上映しましたが、そこからデジタル化した鮮明な映像で蘇ります。鮮やかな『ヴィタール』の世界をぜひ劇場で体感していただきたいと思います。