『FLASH THE FIRST TAKE』とは?8月度出演アーティストまとめ

AI要約

『FLASH THE FIRST TAKE』は、アーティストが60秒限りの一発撮りパフォーマンスを披露するYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』から生まれた新しいコンセプト。

この記事では、8月に公開された動画を紹介し、adieu、梅田サイファー、MFS、osage、asmiなどのアーティストの魅力を述べられている。

各アーティストのパフォーマンス、音楽のジャンルや特徴、そして60秒の限られた時間内で表現されたアーティストの魅力に焦点が当てられている。

『FLASH THE FIRST TAKE』とは?8月度出演アーティストまとめ

■『FLASH THE FIRST TAKE』とは?

様々なアーティストが勝負パフォーマンスを披露する場としてすっかり定着したYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』から、今度は60秒だけの舞台『FLASH THE FIRST TAKE』がスタート。アーティストの魅力が短時間に凝縮された動画は見応え充分だ。

ここでは、8月に公開された動画について紹介する。

■FLASH THE FIRST TAKE STATEMENT

FLASH THE FIRST TAKE

それは、60秒限りの一発撮り。

この一瞬で、

アーティストは、

何を表現するのか。

今、ここにしかない60秒を。

■adieu「背中」

Awesome City ClubのPORINが作詞、藤井風とのコラボレーションでもおなじみのYaffleが作編曲を手掛けた「背中」(7月10日リリース)を披露したadieu。本企画のシンプルなセットに映える凛とした立ち姿で、彼女の魅力であるマイルドで伸びやかな歌声を聴かせてくれた。歌謡曲の時代からJ-POPの時代に至るまで“女優が歌う良質なポップス”というジャンルが脈々と続いているが、原田知世、松たか子、柴咲コウなど優秀なコンポーザーをバックに魅力的な作品を生み出してきた系譜にadieuも名を連ねる存在だ。60秒という限られた時間だからこそ、歌の世界観を瞬間的に描き出す彼女の表現力をより堪能することができる。また、8/10公開の一本目の動画のラスト、切なげな視線を画面の向こう側に送って最後は目を閉じる彼女の表情にも注目。アーティストの正面からのアングルも、『FLASH THE FIRST TAKE』の魅力の一つだ。

■梅田サイファー「韋駄天S**t」「Rodeo13」

8月28日リリースのニューアルバム『Unfold Collective』から「韋駄天S**t」「Rodeo13」の2曲をパフォーマンスした梅田サイファー。超高速Rapながらリズムとフローが気持ちいい「韋駄天S**t」とChaki Zuluプロデュースによる不穏で印象的なトラックに、巧みなマイクリレーとそのメッセージに背中を押される「Rodeo13」、いずれもビートを乗りこなすそれぞれのラップの個性と佇まいのかっこよさを楽しめる。超高速ラップをミスなくこなさないといけない緊張感がこちらにも伝わってくるのは、60秒の一発撮りという『FLASH THE FIRST TAKE』ならではのシチュエーションゆえだろう。そしてそれを結果的に皆がこなしてしまうところに、高いスキルでつながる梅田サイファーの面々のチームワークが表れている。お茶の間とアンダーグラウンドのシーンを横断して存在感を見せる彼らの活躍は、文化としての日本語ラップの広がりを示している。

■MFS「Combo」「Don’t」

『Forbes JAPAN 30 UNDER 30(世界を変える30歳未満30歳)』に選ばれるなど、ヒップホップシーンを越えて注目を集め始めた女性ラッパーのMFS。すでに「BOW」がゲームとのコラボでグローバルヒットを記録し、その実力はすでに世界でも知られている。日本語と英語を同じ水準でミックスしたフロウの気持ちよさは、日米にルーツを持つ彼女だからこそ。また、最新鋭のトラックをバックにしながらも絶妙な聞きやすさを担保している楽曲のムードは、幼少のころに母の影響で聴いていたというTLCやデスティニーズ・チャイルドの雰囲気が彼女の中に流れているからかもしれない。今回披露している「Combo」「Don’t」でもアグレッシブなビートとスムーズなラップは健在だが、合わせて彼女のグルーヴ感あふれる身体の動かし方を体感できるのも、ひとりのアーティストに間近でカメラを向けるこの企画ならでは。

■osage「マイダイアリー」「残り香」

2017年から活動を続ける4人組ロックバンドのosageが披露したのは、疾走感あふれるロックナンバーの「マイダイアリー」と、山口ケンタのハイトーンボイスが印象的なミディアムテンポの「残り香」。どちらもストレートなバンドサウンドを大事にするosageの特徴がわかりやすく伝わる楽曲だ。「マイダイアリー」のパフォーマンスでは、緊張感のある曲あたまから徐々に熱を帯びていくボーカル・山口の歌声が印象的。サビに入ってから表情が和らいでいく感じがばっちりとらえられているのも、パフォーマンスする姿をまさにライブとして間近に映し出すこの企画ならではだろう。「マイダイアリー」は彼らのメジャーデビューシングルでもあり、バンドにとっても節目の一曲。環境が変わって、この先どんな音楽を届けてくれるのだろうか。

■asmi「ラヴィウス」「UTAGE」

短い時間でそのアーティストのいろいろな側面を楽しめるのがこの企画の魅力でもあるが、その点で特に面白いのが8月24日と26日に「ラヴィウス」「UTAGE」をそれぞれ披露したasmi。アタックの強いベース音が特徴的な情報量の多いサウンドをひとりで歌い上げる「ラヴィウス」と、キラキラしたトラックにリラックスした空気のマイクリレーが楽しい「UTAGE」という対照的な2曲を届けてくれた。「UTAGE」には「earth meal」(名曲!)などでの共演でおなじみのRin音を筆頭に5人のラッパーが登場している。それぞれ雰囲気の異なる楽曲ではあるが、共通しているのはasmiの明るい表情。「ラヴィウス」を歌い切った後のやわらかい笑顔も印象的。昨今のトレンドを上手に取り入れながら音楽で遊んでいるかのようなムードのasmiの姿を見ると、こちらも楽しい気持ちになる。

TEXT BY レジー