過去よりも「今やること」しか興味ない 林修の生き方【今週グサッときた名言珍言】

AI要約
林修が仕事についての考えや経歴を語る林修は過去よりも現在に注力する人物である林修は常に満点以上を目指し、努力を惜しまない
過去よりも「今やること」しか興味ない 林修の生き方【今週グサッときた名言珍言】

【今週グサッときた名言珍言】

「仕事を楽しいと思ったことはない」

 (林修/NHK・Eテレ「ワルイコあつまれ」8月27日放送)

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 東進ハイスクールのテレビCMで発した「いつやるか? 今でしょ!」というフレーズが2013年、流行語となり、タレントとしても大ブレークした予備校講師の林修(59)。それから10年以上経ってなお、いまだ人気は衰えず、複数の冠番組を抱えている。そんな林が「仕事は楽しいですか?」と問われて答えた一言が今週の言葉だ。

「自分が楽しい仕事ではなく、自分ができる仕事をして、お金を払ってくれる人にありがとうございましたって言われたい」と続けた。それは予備校講師の仕事でも、テレビタレントの仕事でも、同じだという。

 林はもともと、テレビタレントになることはもちろん、予備校講師になろうとも思っていなかった。それどころか、塾講師なんて死んでもやるもんかと思うほど大嫌いだった。

 林は東京大学を卒業するとアナリストになりたいと思い、銀行に就職した。しかし、入ってみると、その銀行にはアナリストになる道がなかった。その結果、わずか5カ月で退職。そこから「空白の3年間」と自ら称する苦境の日々に突入した。

 後先を考えずに辞めたため、仕事もない。友人と会社をつくって失敗したり、投資やギャンブルに手を出したりして、多額の借金を抱えてしまった。仕方なく、自分ができて稼げる仕事として始めたのが、塾の講師だったのだ。

 塾講師は、生徒の成績が上がれば時給が上がる。2年後には東進ハイスクールの講師となった。一番好きな教科だったため、最初は数学の講師を務めたが、すぐに考えを改めた。数学では勝てない。人気講師の授業を見て回り、自分が勝てると確信したのが現代文だった。

「僕は、常に目を動かします。周りを見て、勝負するのはきついなと思うレースには出場しない」(リクルート「リクナビNEXT」2013年4月10日)と林は言う。その代わり「勝てる場所で誰よりも努力する」(同前)と。

 仕事としてやっている以上、「常に満点以上の点を叩き出したい」(オリコン「ORICON NEWS」23年3月19日)と語る林は目の前の努力を惜しまない。80点取れれば合格という発想はない。「今までの人生は合格ですか?」と問われた林はこう答えている。

「過去に点数つけて意味あるんですか? そういう生き方してきてないんで」(TBS系「情熱大陸」13年5月19日)

 林修は、過去のことよりも、「今」やるべきことしか興味がないのだ。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)