「ありえねーだろ!ずっと親父が家にいねーとか!」借金取りが家の窓ガラスを割り…『トークサバイバー』も出演の若手人気芸人が語る「壮絶すぎる」人生

AI要約

芸人たちが本格ドラマの最中にアドリブでトークを披露する、トークサバイバル番組『トークサバイバー!ラスト・オブ・ラフ』がNetflixで配信された。

主演者の中でも注目のすがちゃん最高No.1が、借金取りからの電話に悩まされる中学1年生時代のエピソードを振り返る。

金に困った際に自ら食材を探し、自炊する苦労話も明かされる。

「ありえねーだろ!ずっと親父が家にいねーとか!」借金取りが家の窓ガラスを割り…『トークサバイバー』も出演の若手人気芸人が語る「壮絶すぎる」人生

9月3日(火)よりNetflixで配信された『トークサバイバー!ラスト・オブ・ラフ』は、芸人たちが本格ドラマの最中にアドリブでトークを披露し、面白くなければ即脱落というルールのもと行なわれるトークサバイバル番組。最終章と銘打たれたシリーズ3作目の物語は「第1章・極道編」からスタートし、大悟(千鳥)が「もし新作をやるならば」と自ら望んでいた昔気質の極道役を演じています。

主演者の中でも気になるのが、実の父親が「1抜けピ」と家を出ていったことをきかっけに、中学1年生で一人暮らしになったという、お笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」のツッコミ担当・すがちゃん最高No.1。

「オヤジ最低オンリーワン」と称する、父親に振り回されたエピソードは尽きることはないが、ここでは、【第三回】「部長職を約束するから」とスカウトされて就職、テレアポのバイトで全然出勤せず表彰…すがちゃん最高No.1が芸人になるきっかけを作った「元相方」 に引き続き、すがちゃんの初エッセイ『中1、一人暮らし、意外とバレない』(ワニブックス刊)に未収録の借金取りにまつわるスピンオフエピソードを特別に紹介します。

俺は、大人になってからも、家電の音が苦手だ。

「家電の音が苦手ってどういうこと?」とお思いだろう。でもなんか、嫌なのだ。なんか、怖いのだ。……昔を、あの中一の一人暮らしになってすぐの“あの電話”を、思い出すから。

ジリリリリリン!

夜の7時半を過ぎた頃、家の電話がけたたましく鳴った。中一になって一人暮らしを始めた頃、うちの家電は、もう毎日毎日何度も何度も鳴った。ほとんどが同じ内容の電話。借金取りからの電話だ。

借金は親父のものだ。だから俺が電話に出ると、借金取りは親父はいるか? と聞いてくる。のだが、親父は随分前にこの家から離脱しているため、たまーーーにしか帰ってこない。当然「いない」と言うしかない。でも、何度も何度も「いない」というと、借金取りはそれを嘘だと思って、ブチキレてくる。

「毎日毎日いないわけねーだろ!!」

怒鳴り声と同じタイミングで、バリンと窓ガラスが割れる音がした。おいおい、家の裏庭から電話してきてんのかよ! だったら分かるだろ、毎日毎日いないんですよ……!

「ありえねーだろ! ずっと親父が家にいねーとか!」

あり得るんですよ、うちの親父はありえない親父だから。

まあ、どれだけ脅されたところで、本当にいないのだから「いない」と言うしかない。で、またブチキレられる。それの繰り返し。それがもーー嫌で嫌でたまらなかった。

そんなある夜、俺は大変に困っていた。何にって、金にだ。

この月、いつも仕送りとして親父の姉、つまり俺の叔母さんである“かっちゃん”から貰っていた仕送りをほぼ使い果たしてしまっていた。理由は漫画の買い過ぎ。完全にやらかした。次の仕送りまではあと4日ある。

かっちゃんから借りる……のは絶対に嫌だ。

「金がなくなった」とかっちゃんに言えば、なぜそんなことになったのか問い詰められることは間違いないし、それで漫画買い過ぎたなんて言ったもんならもう烈火の如く叱ってくることも間違いなかったし、何より心配させるのが嫌だった。別にそれはかっちゃんへの優しさとかではない。ただ心配されるのはカッコわりぃと思えてならなかったからだ。

カッコわりぃのだけは絶対に避けたい。だから絶対にかっちゃんには金のこと相談したくない。でもなんとかあと4日ほど飯を食わなきゃいけない……というか、今、この瞬間がもう腹が減り過ぎてやばい。今日の晩飯をどうするか。米はあるが、米だけであと4日過ごすのもキツい。

こんな時どうするか。方法は……ある!

俺は金のない時の食材の調達方法を、小学生の頃に既に習得済みだった。小学生の頃、一度だけ1ヶ月をほぼグミだけで過ごさなければならなくなったことがある(なぜそんなアホみたいなことになったのかは是非本編をご覧いただきたい)。その時に、グミだけではどうしても辛くて、食べられる野花を調べて、それを採取することでなんとか凌いだことがあるのだ。

今回もそれでいくしかない。

俺は河川敷や公園で食べられる野花を探し回った。そこで、なんかニラっぽい雑草を発見。

なんか野菜っぽいし、これ醤油で炒めたらうまいんじゃねーか? そう思い、そのニラっぽい雑草をひたすら採取し、慌てて家に戻り、急ぎフライパンをだし、醤油で炒め、白飯と一緒に食った。

うまい! 訳が無い……。くっそまずい。

思いっきりため息が出た。まぁ、自分で蒔いた種だし、漫画おもろかったし、あと4日、これで我慢すっか……そう思ったその時。

ドンドンドンドン!!

ものすごい強さで玄関の扉を叩く音がした。