ミュージシャン、俳優、声優などマルチに活躍する加藤和樹の軌跡と魅力に迫る

ミュージシャンとして活躍する傍ら、最近ではミュージカル俳優、声優と活躍の場を広げている加藤和樹。その活躍は日本のみにとどまらず、韓国や台湾、中国といったアジア圏でCDデビューを果たし、ライブを行うなどグローバルのファンに応えている。本記事では、加藤のこれまでの活躍ぶりや魅力について紹介していく。

■山崎育三郎に感化され、数多くのミュージカル作品に出演

圧倒的な歌唱力を持ち、若手時代からさまざまなミュージカル作品に出演してきた加藤。その端正な顔立ちと抜群のスタイルは映像でも映え、テレビドラマや声優としても活躍している。

初めて受けたオーディションはミュージカル「テニスの王子様」。2005年から跡部景吾役を演じ一気に注目を浴びるようになる。その翌年の2006年には1stミニアルバム『RoughDiamond』で歌手としてCDデビューも実現した。武道館ライブなども成功させ、その他にもテレビドラマ「仮面ライダーカブト」の仮面ライダードレイク役やドラマ「ホタルノヒカリ」、映画への出演など、次々と仕事が舞い込む。しかし、加藤はのちのインタビューで「実はこの時期が一番つらかった。歌も芝居もほとんど経験のないまま環境がどんどん変化していくので、それについていくだけで精いっぱいでした」と振り返っている。

多忙を極める加藤がミュージカルへの出演に力を入れ始めたきっかけが、同世代の俳優・山崎育三郎の存在。加藤は圧倒的な存在感と表現力を持つ山崎と共演をし、影響されたことでよりミュージカルへの想いを強め、「ロミオ＆ジュリエット」や「フランケンシュタイン」、「ファントム」などの大作への出演を叶えていった。

■ナチュラルなセリフ回しに苦労…ドラマ「ホタルノヒカリ」出演時の思い出

マルチに活躍する加藤だが、やはり彼の代表作といえばミュージカルデビュー作となる「テニスの王子様」だろう。加藤が演じた跡部景吾は原作の中でも特に人気の高いキャラということもあり、原作ファンからは当時不安視されていたものの、加藤の端正なルックスと圧倒的な歌唱力でその不安を一掃。特に『週刊少年ジャンプ』(集英社)に加藤の跡部としてのビジュアルが掲載された際には、事務所のホームページがサーバーダウンするほどアクセスが集中した。

当時、跡部景吾を演じた俳優は加藤を含め3人いたが、加藤は“かとべ様(跡部様をもじって)”と呼ばれ親しまれており、現在もその愛称は定着している。こうして加藤は2005年～2008年にわたり跡部役を華麗に演じ、多くの人に認知されることとなった。

映像作品では、才能にあふれたイケメンデザイナーでメインキャラの一人・手嶋マコト役を演じたテレビドラマ「ホタルノヒカリ」(日本テレビ系)の存在も外せない。それまで仮面ライダーや漫画キャラなど“二次元”な役どころが多かった加藤は、ナチュラルなセリフ回しに苦労したのだとか。そんな時、“自分だったらこう言うかな”と、自分の言葉としてセリフを発することで自分のものにしていったという。地上波ドラマに出演したことで一気に大衆の知名度が上昇した加藤は、その後ドラマ「闇金ウシジマくん」や「インディゴの夜」、映画「神様ヘルプ！」などの映像作品に出演。

■実は無類のラーメン好き？　インパクトの強い楽曲もリリース

音楽の道に進みたいと志してから、積極的に楽曲をリリースし、ライブツアーを敢行してファンとの触れ合いも大切にしている。加藤は芝居も歌もデビュー当時から同様に変わらず大切にしているようで、以前「歌にも100％、芝居にも100％の力を注いでいます。両方とも好きだし、僕にとって大事な表現の場」と語っていた。

なぜ加藤はこれほどバイタリティーに溢れているのか。その答えは彼の“やればできる”という信念にある。俳優、ミュージシャン、声優と、幅広いジャンルの芸能活動に励んできたわけだが、加藤は「最初の一歩を踏み出してみると意外に何とかなる(笑)。だから恐れずその一歩を踏み出すといいと思います」と明かしていた。常にポジティブな姿勢が、現在の彼の活躍に繋がっているのではないだろうか。

そんな加藤は、これまで15枚のシングル、16枚のデジタルシングル、5枚のアルバムに7枚のミニアルバムをリリース。さまざまなヒット曲が名を連ねる中、2024年に発売されたデジタルシングル「マシマシLove Call」は、加藤がこよなく愛している“ラーメン”への想いを綴った変化球的な楽曲だ。加藤は以前バラエティ番組「アウト×デラックス」(フジテレビ系)に出演した際、マツコ・デラックスに手作りラーメンをふるまうほどのラーメン好き。ナインティナイン・矢部浩之は、加藤の手際の良さを“ラーメン二郎”にかけて「もう加藤二郎やん(笑)」とツッコむほど、その姿は様になっていた。「マシマシLove Call」の歌詞にも“ダイエットも頑張るから　推し活は辞めない　黄色と黒の危険な香り　全マシでeat you up”というフレーズがあり、加藤がラーメンのことを想像しながら楽しそうに歌う姿が浮かんでくる。

■加藤和樹×小野大輔による異色のコラボコンサートをテレビ初放送

衛星劇場では、「加藤和樹 特集～2ヶ月連続企画～」と題して、ミュージシャンとしての加藤を堪能できる舞台やコンサートを8月、9月の2カ月連続で放送中。9月7日(土)昼5時からは、中川晃教、昆夏美、田代万里生、藤岡正明ら“ミュージカル界のスターたち”と共演した「Brand New Musical Concert 2023」の模様を放送する。

また9月14日(土)昼5時からは、“バラードの皇帝”ことソン・シギョンとの音楽トークやコラボ歌唱を楽しめる「Soothing Vol.1 ソン・シギョン×加藤和樹」を、9月28日(土)昼5時からは、加藤と朝夏まなとによるオーケストラ・コンサート「THE Roots」の再演「加藤和樹×朝夏まなと THE Roots Returns-Thank you-」を、同日夜7時15分からは、日本の名曲のカバーで構成された単独コンサート「Kazuki Kato Concert Tour 2024 ～Respection～」の東京公演を独占、初放送する。

そして、加藤がホストを務めるコンサート「THE Roots」で8月3日に開催された「THE Roots2024～Kazuki Kato × Daisuke Ono～」を衛星劇場で10月にテレビ初放送することも決定。同コンサートでは、「黒執事」や「進撃の巨人」などに出演する声優でアーティストの小野大輔をゲストに迎え、オーケストラを交えて上演を行う。ちなみに2人は、2015年より始動したアイドルプロジェクト「B-PROJECT」にて共演しており、小野が加藤のラジオに出演するなど交流を重ねてきた。同コンサートでは、小野のルーツを巡りながら、声優同士の2人ならではのオリジナルの朗読劇を含め、「勝手にしやがれ」「優しい雨」「夏の終わりのハーモニー」といったさまざまな名曲を披露する。