【新ユニット「B.O.C」で還暦超え再デビュー】SAMとDJ KOOが明かす「作曲した恩師・小室哲哉との対話」「ユニット名に込めた想い」

AI要約
1990年代のJ-popシーンを牽引したTRFのDJ KOOとSAMが新ユニットB.O.Cを結成し、ラップジャンルでデビューすることを発表ユニット名のB.O.Cは若き日のNY旅行の思い出に由来し、ハングリー精神を表現デビュー曲『NARIYAMA NIGHT』は小室哲哉が作曲
【新ユニット「B.O.C」で還暦超え再デビュー】SAMとDJ KOOが明かす「作曲した恩師・小室哲哉との対話」「ユニット名に込めた想い」

 1990年代のJ-popシーンで数々の金字塔を打ち立て、昨年30周年を迎えたダンス&ボーカルグループ「TRF」のDJ KOO(63)とSAM(62)。今なおD J業界、ダンス業界を引率する“レジェンド”であるふたりが、8月30日に新ユニット「B.O.C」を組んでデビューすることを発表した。デビュー曲は『NARIYAMA NIGHT』。なぜ今、「ラップ」というジャンルで新たなユニットを結成したのか――ふたりにその想いを聞いた。【前後編の前編】

 今年2月、約25年ぶりに日本武道館で8500人のファンと共に『TRF』30周年のライブを行なったふたり。

「『B.O.C』のユニットお披露目も30周年の日本武道館の時にしたかったけど間に合わなかったので、土台を作ってコンセプト決めてちゃんとやりましょうってなったんです」(SAM)。

 KOOも「新しいことやりたい気持ちは今もある。だからさっそくダンスレッスンも始めました」とSAMの言葉に強く頷いた。ユニット名である「B.O.C」は駆け出し時代のこんなエピソードを元に決めたという。

「飛行機の国際線の機内食は今でこそ牛肉か鶏肉か魚の3種類から選びますけど、僕がまだ20代で毎年のようにNYに行ってた時は『Beef Or Chicken?』って聞かれたんですよね。しかも安い航空会社の客室乗務員の方ってちょっと手荒で、こちらが寝てようが肩をバンって叩いて聞いてくる(笑)。その時、僕は“いつかビジネスクラスに乗ってやる”って向上心に燃ていたんです。そういう若い時の気持ちを忘れない思いも込めました」(SAM)

 これに対しKOOも笑いながら「さすがにカッコいい名前をつけるのは違うからね。なんか“パロった名前”が良いねって話の中で出てきた名前だよね」と言う。

「SAMが言った手荒な乗務員じゃないけど僕らの若かった頃って、今の若者以上に雑に扱われて今で言う“パワハラ”がありながらもハングリー精神で乗り越えてきたところがある。僕はそれが嫌いじゃなかった。感じ方はそれぞれだけど、少なくとも僕は原体験としてそれらの積み重ねで今の自分があるから。『Beef Or Chicken?』はその原体験のひとつ。3文字で略称できるのもイイねってことで、すごくハマったね」(KOO)

 とはいえ、そもそもなぜ「B.O.C」を組むことになったのか。きっかけは1995年に発売されたアルバム『dAnce to positive』に収録され、ライブなどでもファンの間で長く愛されてきたHIPHOP曲『FUNKY M』のライブでの盛り上がりかにあった。

「『FUNKY M』は僕とKOOちゃんがふたりで歌う曲なんです。歌詞からも1990年代の夜の六本木の騒々しい時代感や空気感が感じられる楽しい楽曲だからライブで盛り上がる定番曲にもなってたんです。ある時からKOOちゃんも『踊りたい』って言い出して、わざと間奏伸ばして踊った時もあったんですけど、めちゃくちゃ楽しい空間になったんだよね。それで『FUNKY M』の第二弾みたいな、ネクスト『FUNKY M』的なことをやりたいよねって話して」(SAM)

 SAMのその呼びかけにKOOも乗り出し、自ら週1でダンスレッスンを受けるようになった。「体硬いですからねー。ストレッチの時点で疲れてますよ」(KOO)。還暦を超えたふたりのハングリー精神に満ちたデビュー曲のタイトルは『NARIYAMA NIGHT』。作曲したのは小室哲哉である。