『水曜日のダウンタウン』最終回ドッキリが“企画力”以上に大成功したワケ。炎上ギリギリで勝負する力とは?

AI要約

『水曜日のダウンタウン』が放送した「終了デマ拡散王決定戦」が話題を集め、視聴者やメディアを巻き込んだ斬新な企画となった。

番組が終了する可能性があるとのデマを拡散し、芸人たちの口の軽さを検証する内容は一部の視聴者に驚きをもたらした。

しかし、その先行フリで視聴者を煽り、没入度を高めた手法が成功し、SNS上で大絶賛される結果となった。

『水曜日のダウンタウン』最終回ドッキリが“企画力”以上に大成功したワケ。炎上ギリギリで勝負する力とは?

斬新な企画を数多く放送している『水曜日のダウンタウン』(TBS系、毎週水曜日よる10時放送)が、またも世間を騒がせる「説」を作り上げた。

8月21日の放送で、「水曜日のダウンタウン終了デマ拡散王決定戦」と題した企画を放送。内容はドッキリ企画となり、『水曜日のダウンタウン』が終了するというデマを特定の芸人に伝え、どれだけ拡散されるかを検証するものとなった。

この企画が話題になったのは、先週から放送されていた番宣CMで視聴者にも本当に番組が終わるのではないかと疑念を抱かせていたから。

この番宣CMは、芸人の小籔千豊が「番組から大切なお知らせがございます」としたうえで、「実は今年10周年を迎えました、この『水曜日のダウンタウン』…」と言ったところで音声が消え、小藪が口パクして「最終回」と見える映像となる仕組み。

現在は、MCであるダウンタウンの松本人志が長期休養しているだけに、番組が秋の改編で終了する可能性は考えられた。だからこそ、視聴者も最終回なのではないかと推測し、SNSでは大きな話題を集めていたのだ。

ちなみに、番組の演出を手掛けるTBSの藤井健太郎氏は、番組放送前にX(旧ツイッター)上で「お騒がせしてスミマセン。ただ、秋で番組終了の話、業界関係者にはかなり前から噂が広まってしまっていたので…」と終了を煽(あお)る投稿を展開。これにより、スポーツ紙のネット版などはこぞって番組終了の可能性を報じ始めたのだ。

結果として、視聴者は最終回デマを放送前に体感したことになり、今回の「水曜日のダウンタウン終了デマ拡散王決定戦」をより楽しむことができた。

視聴者やメディアも巻き込んだ斬新な企画であり、極上のエンターテインメントを『水曜日のダウンタウン』は提供してくれたことになった。

正直言えば、今回の「水曜日のダウンタウン終了デマ拡散王決定戦」は、企画だけではそこまで話題になるものではないだろうと感じる。

“終了デマを拡散するであろう”というドッキリのターゲットになったのは、芸能界でも指折りのゴシップ好きである岡野陽一、さらば青春の光・森田哲矢、ライス・関町知弘の3人。口が軽い芸人が、言ってはいけないことを仲間に言いふらすというのは他の番組でも取り上げられている企画だ。

VTRでも、視聴者の思った通りに各芸人が番組終了を言いふらし、しかも最終的にはお見送り芸人しんいちが、最大で29人に拡散していたことが発覚して最も口が軽いことが判明。見ているこちらとしては思った通りの結果で、特に驚きや発見がある企画ではなかった。

しかし、そんな企画でも、前フリとして視聴者に最終回かもしれないというデマを上手に拡散していたことで、没入度が格段にアップ。結果、SNSなどで「神企画」、「水ダウ最高」と大絶賛されることになった。