北村匠海“ひと夏の思い出”『DISH//』ライブ巡りの旅「北海道の稚内から鹿児島までを自動車で縦断したんです」

AI要約

北村匠海は俳優としてだけでなくバンド「DISH//」のボーカル・ギターも担当し、活躍している。最近の出演作品や映画『クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』のゲスト声優を通じて、成長や転機について話す。

夏の思い出として、中学時代にバンドメンバーと自動車で日本縦断の旅を実施した経験を振り返る。その旅での思い出を語る。

2020年が北村にとって大きな変化の年となり、コロナ禍の影響を受けて自己啓発や成長を遂げた体験について述べる。

北村匠海“ひと夏の思い出”『DISH//』ライブ巡りの旅「北海道の稚内から鹿児島までを自動車で縦断したんです」

 俳優としてだけではなく、4人組バンド「DISH//」のボーカル・ギター担当としてアーティストとしても活躍中の北村匠海。最近では大人気コミックの実写化『幽☆遊☆白書』の浦飯幽助役、地上波でのドラマ『アンチヒーロー』(TBS系)での正義感の強い若手弁護士・赤峰柊斗役が好評、来年度前期NHK連続テレビ小説『あんぱん』への出演も決まっている。そして、『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』ではゲスト声優を担当。北村匠海にとっての転機“THE CHANGE”に迫る。【第4回/全4回】

 今回、北村さんがゲスト声優を務めた『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』は、しんちゃんたちにとっての“ひと夏の思い出”ともいうべき物語だ。北村さんにとっての“夏の思い出”について聞いてみた。

「僕は4人組バンド『DISH//』としての活動もやっているので、学校生活での夏休みは、そっちの活動に充てたりしていたんです。中学3年生ぐらいの時だったんですけど、当時、バラエティ番組『水曜どうでしょう』の大ファン過ぎて、その番組の中の企画で『原付日本列島制覇』という、文字通り原付バイクで日本列島を縦断する企画があるんですが、それを真似て、バンドのメンバーと日本縦断のライブ巡りの旅をやったんです。それも2回(笑)。北海道の稚内から鹿児島までを自動車で縦断したんです。チラシ配りもやりましたし、飛び入りでライブハウスで演奏させてもらったこともありましたね。朝5時にスタッフにたたき起こされて“お前らカレー作れ!”って、“やれるわけないだろう!”って子供ながらに反抗して、喧嘩したこともありましたね(笑)。それが思い出深いですね」

 今回の映画では北村さん演じるビリーがしんちゃんたちと出会ったことで大きな変化(成長)を遂げたが、北村さん自身にとって大きな変化を伴う出来事と言ったら?

「僕は音楽も俳優もやっているので、それぞれにターニングポイントはあるんです。でも、ここ最近で言うと2020年ですかね。この年はコロナ禍で仕事が何もかも無くなって……。それまではもう、がむしゃらに走り続けてきたんです。その仕事が休みになった期間に、俳優として、アーティストとして、人間として、今後どう生きていくかをすごく考えた期間でした。ドラマの『鈴木先生』が俳優としてのひとつのターニングポイントで、他にも、2つ、3つあるし、アーティストとしても2つ、3つあって、それらがギュッとまとまったのが、2020年だったのかなって思うんです。その時間が止まった感覚になった時に、すごく当たり前のことに気付けたというか。“太陽が眩しい!”みたいな、そういう当たり前のことを大事にする様になってきました」

──つまり、自分を客観的に見れるようになった?

「そんな感じですね。それまでは、周りを見る余裕もなくて、ほんと主観でしか生きられてなかったというか。でも、その期間に客観的に “こう生きよう!”という発見がありましたね。それが、音楽だったら目の前にいる人に言葉をなぜ授けるのか、なぜ届けるのかということだったり、俳優としてだったら他の共演の俳優さんと現場で作り上げる瞬間を大事にすることだったり、そういうことに繋がっていったんです」

 プライベートでは現在26歳。いわゆるアラサーだ。

「30代になるのがすごく楽しみなんですよ。11歳の時に、早く二十歳に成りたいって言っていたんですけど、その感覚に近いところがあるんです。下の世代が出てきて、そこに対しての焦りというよりワクワクがすごくあるんです。というのも、僕は子供の頃から先輩に囲まれて生きてきたので、先輩の存在がメチャクチャ大きかったんです。これからは多くの後輩との出会いがあるだろうし、そういった出会いを大事に出来る30代になりたいと思っているんです」

──後輩から刺激をもらう?

「もちろん、刺激をもらい続けると思いますけど、こちらもちゃんと刺激を与え続けられる先輩でいたいなって。ここからは、そういう存在のための準備の4年間だと思いますね」

 来年度前期のNHK連続テレビ小説『あんぱん』の柳井嵩役で朝ドラ初出演が決まっている北村さん。今後も様々なステージで邁進し続ける姿から目が離せない。

北村匠海(きたむら・たくみ)

1997年11月3日、東京都生まれ。2008年公開された映画『DIVE』で映画デビュー。2009年に放映された『太陽と海の教室』でテレビドラマ初出演を果たす。2017年に公開された映画『君の膵臓を食べたい』で第41回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめとする数々の新人賞を受賞。近年の出演映画に『とんび』、『法廷遊戯』、『東京リベンジャーズ』シリーズ、声の出演では『ぼくらの7日間戦争』、『かがみの孤城』、ドラマでは『星降る夜に』、『アンチヒーロー』などがある。

鈴木一俊