SNSをきっかけに華開いた音楽センス。アーティスト・imaseのこれまでとこれから

AI要約

新世代アーティストimaseさんの音楽活動、経歴、アルバム『凡才』についてのインタビューを通じて紹介。

imaseさんが音楽活動を始めるきっかけや曲作りの過程、将来の展望について具体的に話す。

音楽に限らず、クリエイティブな活動や農業への関心など、多岐にわたる将来の可能性に期待が寄せられている。

SNSをきっかけに華開いた音楽センス。アーティスト・imaseのこれまでとこれから

インタビューの名手・サッシャさんのナビゲートで音楽シーンの第一線で活躍するアーティストの魅力に迫る「働く私にMusik」。4年前まで音楽経験ゼロ。どこにでもいる青年が世界のヒットチャートをにぎわす存在に――今回のゲストは、5月に1stアルバム『凡才』をリリースした新世代アーティスト・imaseさん。SNSをきっかけに花開いた音楽センスで世界中から注目を集める、その過去と今と未来をインタビュー!

【imase(イマセ)】

2000年、岐阜県生まれ。TikTokでオリジナル曲をバイラルヒットさせ、音楽活動を始めてからわずか1年でメジャーデビュー。SNSで制作過程を見せるスタイルも注目を集め、これまでに発表した楽曲の再生回数は全世界のSNSで累計100億回を突破。

◆1stアルバム『凡才』をひもとくKEYWORDS!

──キーワード1:DOUBLE MEANING

20歳で音楽制作をスタートし、23歳の今では世界的なアーティストに。その3年間の楽曲を詰め込んだ1stアルバム『凡才』。まずは、アーティストとしての彼の歩みが表現された注目の一枚について語っていただきましょう! それでは、対談スタート!

サッシャさん(以下、S):アルバムタイトルのアルファベット表記『BONSAI』を1曲目に据えた一枚。このタイトル・曲の意味とは?

imaseさん(以下、i):音楽経験がない〝凡才〟である僕の音楽を、多くの人に聴いてもらうには? その闘い方が詰まった作品になっているんです。『BONSAI』はアルバムや僕自身の紹介になるよう意識して制作しました。

S:アルファベットなのは海外を意識して?

i:まさに! 国内外問わず聴いていただきたくて、海外でも人気のある〝盆栽〟とのダブルミーニングにしています。

──キーワード2:BRIDGE

S:この作品には、タイアップがついていない新曲が2曲入っていますよね。imaseさん自身について歌っている『BONSAI』、そして『Rainy Driver』。後者も現在のimaseさんを知る上で欠かせない一曲になっているのでは?

i:今いちばん新しいimaseをお見せできる曲になっているんじゃないかな、と思います。最近好きなテイストの音楽を、自分がつくったらどうなるか…と考えて制作した曲なんです。

S:好きなものを吸収して、自分らしく新しく生み出す。未来への橋渡しになってくれそう!

i:今後へのチャレンジのような一曲ですね。

──キーワード3:EXPAND

S:収録曲の多さに驚きました。なんと19曲!

i:当初は13曲くらいの予定でした。『Have a nice day』や『NIGHT DANCER』を入れて、そこにない雰囲気の曲をつくって足して…とピースを埋めるような感覚で制作していたら、一曲ごとの長さが短いからまだまだ入れられるな? と思ってしまって(笑)。

S:今どきなつくり方ですね!(笑)

i:既発曲をどんどん入れて、3年間の音楽活動の集大成にしよう、と。19曲を聴くと、自分の成長や音楽の広がりを感じられて。今後も新ジャンルの楽曲に挑戦したい! と思っています。

◆imaseさんのこれまでとこれからをインタビュー!

──テーマ1:音楽を仕事に

S:まずは〝謎の人物〟imaseを解明するところから… (笑)。音楽は昔から好きだったんですか?

i:聴くのも歌うのも好きでした。近所にカラオケはなかったのですが、車の中で歌ったり。小中学生のころは、GReeeeNさんや湘南乃風さんの曲をよく歌っていました。

S:音楽を仕事にしたいとは思っていなかった?

i:ずっとプロサッカー選手になりたいと思っていたんです。中学生のときはクラブチームでプレイもしていたのですが、中3のときに挫折して。高校卒業後は、地元で就職しました。

S:そうして働いていたら、コロナ禍が訪れた… と。そのときにギターを始めたんですよね。

i:ギターを買った友人を見て、自分も弾き語りをしてみたいと思って。それがコロナ禍の真っ只中だったこともあって、SNSで楽曲を投稿している方、見られている方がすごく多かったんです。それで、僕もショート尺の曲をつくって歌ってみようかな、と。

S:音楽経験がない中で曲をつくるのは、難しくなかったですか?

i:はじめはコードの概念もわからなくて、ネットで調べたりして(笑)。ギターで押さえた音をそのままMIDIに打ち込んで、鼻歌をつけて… みたいな。知らないことばかりでも楽しかったです。僕らの世代は、曲をつくることのハードルがあまり高くないのかもしれないですね。ギターやピアノを始めるのと同じくらいなんじゃないかなと思います。

S:そうしてつくった曲をTikTokに投稿したら、予想以上の反響があったわけですね。

i:こんなに聴いてもらえるんだ! と驚きましたね。じゃあ、もう少しやってみようかな、と。「サブスクで聴きたい」「フルで聴きたい」といったコメントもうれしかったですね。

S:そうか! ずっとショート尺で曲をつくっていたんだ。

i:いちばん聴いていただけた『Have a nice day』でデビューしたのですが、フル尺にするのは大変でしたね。展開のさせ方もわからなくて(苦笑)。シンプルなJ-POPに落とし込んだのですが、はじめてがんばった制作になりました。

S:そこから、現在に至る大ヒット。音楽を職業にしようと決めたタイミングってあるんですか?

i:地元の仕事を手放して、上京したときですね。音楽以外の収入をなくして一本でやっていこう、と自ら退路を断ちました。

──テーマ2:曲づくりの方程式

S:ヒットする曲をつくるために意識していること、ありますか?

i:フックになる部分のキャッチーさですね。『NIGHT DANCER』は「どうでもいいような夜だけど」というフレーズで始まるんですが、濁音の「ど」を狙って使っています。濁音や破裂音って印象に残りやすいし、口ずさみたくなるかなって。メロディーは、複雑すぎず、鼻歌でも歌いやすいことを意識しています。

S:そのキャッチーさ、感覚的なものですがわかる気がします。10歳の息子が口ずさむ曲って、ヒットする確率が高いんですよ。

i:お子さんの感性って、すごく大事ですよね! 子供たちが好んで聴く、歌うって、重要な指標のひとつだと思います。

S:最終的に大人もハマる、普遍的な何かがあるんでしょうね。でも、そのキャッチーさをつくる方程式を追い求めているんですね。

i:海外に向けては、母音のやわらかさを重視しています。普遍的な日本の名曲って、日本語がカチカチしていないんですよね。たとえば、ユーミンさんの曲みたいな。

S:多くの人に聴いてもらうには? という追求が、タイアップ曲の多さにつながっていそうですね。

i:CMであれば、勝負は15秒や30秒。その尺で印象を強く残せるかどうかは、ずっとSNSでやってきたことでもあります。

S:音楽を形式的に学んできたわけじゃない、その強みが出ているんだ! 面白いなぁ~!

──テーマ3:3年後、何してる?

S:Oggiは「働く30歳から」をメインターゲットにしている媒体なのですが、30代を迎えたimaseさんはどうなっていると思いますか?

i:4年前はまだ音楽を始めてもいなかったことを考えると… 30歳の自分はまったく予想がつかないですね! 理想を言うなら、東京から車で1時間半くらい離れた郊外に住んで、ゆったりと曲をつくりながら農業をやる…みたいな。

S:農業!? 都会から離れた場所のほうがクリエイティブがはかどりそう?

i:東京は便利で生活もしやすいですが、地方で育ったからか、やっぱり田舎のゆっくりした時間の流れがいいなと思うんです。

S:音楽以外の創作にも興味はあるんですか?

i:あります! カメラマンの友人と、同世代でクリエイティブチームをつくりたいねと話していて。渋谷に基地をつくって、みんなでコラボとかできたら面白いなって。

S:素敵ですね。たとえば、また3年後くらいにインタビューをさせてもらって、そのときのimaseさんがどうなっているのか、答え合わせをしたいなぁ。

i:いいですね! 自分でも予想がつかないので、すごく面白そうです。

S:予想がつかないって、それだけたくさんの可能性が広がっているということの表れですよね。さらに拡大するimaseさんの未来が楽しみです!

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Oggi.jpでは、後編「imaseさんの素顔に迫る5つの質問」も公開中。

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