眞島秀和、20代キャストとの共演が刺激に ドラマ&朗読劇でタッグを組んだBUDDiiSは「個性があってかわいらしい」<ROOM>

AI要約

眞島秀和主演の火曜ドラマ9「ROOM~史上最悪の一期一会」は、2024年5月に上演された朗読劇と同じ世界線で展開されながらも、テレビ版オリジナルの展開も描かれるワンシチュエーションドラマ。

主演の眞島が朗読劇にも出演し、脚本は木下半太が担当。赤の他人だった男たちがリゾートホテルで繰り広げるコメディー・サスペンスが展開される。

眞島は、朗読劇とドラマの出演を全くの別物と捉え、ドラマのオサムはうだつが上がらないおじさんとして描かれる。

眞島秀和、20代キャストとの共演が刺激に ドラマ&朗読劇でタッグを組んだBUDDiiSは「個性があってかわいらしい」<ROOM>

眞島秀和主演の火曜ドラマ9「ROOM~史上最悪の一期一会」(毎週火曜夜9:00-9:30、BS-TBS/全5話)が、8月27日(火)よりスタートする。同作は2024年5月に上演された朗読劇と同じ世界線で展開されながらも、テレビ版オリジナルの展開も描かれるワンシチュエーションドラマで、主演の眞島は朗読劇にも出演。脚本は、鬼才・木下半太が担当している。このたび、WEBザテレビジョンでは眞島にインタビューを実施。ドラマの見どころや共演者とのエピソードを語ってくれた他、たった1回のリハーサルのみで本番当日を迎えたという朗読劇出演時を振り返ってもらった。

■ホテルを舞台に繰り広げられる男たちの“群像劇”

同ドラマは、赤の他人だった男たちがリゾートホテルを舞台に繰り広げる、2泊3日のコメディー・サスペンス。

デビュー作が大ヒットするも、その後スランプに陥っている小説家・南条オサムを眞島が演じる他、高校時代の恩師と狂言誘拐をもくろむ夏木仁役で森愁斗(BUDDiiS)、恋人とのお忍び旅行にやってくる人気俳優・氷室鈴郎役で吉田仁人(M!LK)、クレーム処理の仕事に疲れ現実逃避するサラリーマン・青山欣一役で瀬戸利樹が出演する。

■ 朗読劇出演時の“裏話”を告白「深い意味はないんです」

――本作は先に朗読劇として上演がスタートし、公演期間中にドラマ化が発表されました。

正確にはドラマの話を先にお伺いしていていました。そこで、ドラマの脚本を担当する木下さんが演出される朗読劇もあるという話を聞き、朗読劇にも参加させていただいたという流れです。

どういう方が出演されるのかなと思い、キャストを見たときに若い方がたくさんいらっしゃって…“いやいや、こんなところにお邪魔していいのかな?”と思ったのが第一印象でした。

――朗読劇で眞島さんが出演された回を観劇させていただいたのですが、公演中に一度も水を飲むことなくお芝居に集中されていたのが印象的です。

実はそんなに深い意味はないんですよ(笑)。演出の木下さんは本当にお優しい方で「いつでも水を飲んでいですよ」と言ってくださるのですが、そう言われると“どこまで水を飲まないでいけるかな”と思い始めて…ただそれだけの話なんです。

公演中に水を倒してしまうのも怖いですし、いけるのであれば水を飲まずにやってみようというだけだったのですが、きっと他にも「眞島って俳優はすごく集中していた」「本番中一度も水を飲んでいない!」と思ってくださった方がいるんでしょうね…内心しめしめと思っています(笑)。

■朗読劇とドラマの“オサム”は「全くの別物だと考えています」

――改めて、朗読劇出演時を振り返ってみて、いかがでしたか?

とても新鮮でした。というのも、今回は1回だけ打ち合わせやリハーサルを行う日があったきりで、すぐに本番という流れだったんです。今まで、朗読劇でも何日か稽古をしてから本番日を迎えていたので、“撮って出し”のような感覚でやるのもあるんだなという新鮮さがありました。

それに加えて、興行を打つ側としてはスケジュールを合わせやすいという側面もあるだろうなと。そうすると、ファンの多いキャストも捕まえやすいじゃないですか。これはいいアイデアだなと思いましたね(笑)。

朗読劇とはいえ、途中で言い間違えることもあるのですが、そういったトラブルが起きたとしても、見に来てくださったお客さまが楽しんでくれるというのが、こういう企画の面白さなんだなと感じました。

――今回は朗読劇で一度オサムという役を演じてから、ドラマでも再びオサムを演じました。

この二つを、僕は全くの別物として捉えていて。朗読劇では女性の役を含め、それぞれいろんな役を演じました。ドラマの中には朗読劇の中に出てきたいくつかのエピソードが登場しますが、朗読劇のオサムとドラマのオサムは、全くの別物だと考えています。

――それでは、ドラマで演じたオサムはどのような人物ですか?

一言で表現するのであれば、うだつが上がらないおじさんです。たまたま最初の作品が売れただけの作家なのですが、書けないのに言い訳をしながら逃げているじゃないですけど、仕事も人生もこじらせてしまっている人物です。

演じている中で、木下さんの本が魅力的だなと思った部分があって。例えば「奥さんが犬を連れて出て行った」とかって、そこで具体的に何が起きたというのは決して出てこないんです。

パーソナルな部分は出さないんだけれど、何かしらを抱えているキャラクターたちがリゾートホテルに集っちゃって…という今回の物語は、木下さんの人や物に対する見方が表れている気がしますし、コメディー要素もあり、すごく読後感の良い作品になっているんじゃないかなと思います。

■若いキャストとの現場は「本当に刺激的でした」

――終盤戦に向けて、リゾートホテルに集まる訳ありの男たちが交わりだしますが、ぜひ共演者の方とのエピソードをお聞かせください。

やっぱり僕が圧倒的に年上で、20代のキャストの皆さんと一緒にドラマを作り上げていくということで、どういう空気感の現場にできるかが大事だなと思って撮影に臨んだのですが、自分も含めてのびのびとできたんじゃないかなと思っているので、どんなドラマが出来上がるか楽しみです。

おじさんが若い皆さんとわちゃわちゃしているんだなというのが、うまく映っていればいいなと思いますし、ドラマの中でもそれが活きていればうれしいです。

――今作には個性豊かなキャラクターが登場しますが、個人的に好きなキャラクターはいますか?

見ていて面白いなと思ったのは、瀬戸くんが演じる青山という胃腸の弱い役がいるのですが…面白いキャラクターだなと。見ていて“こういう芝居をやってみたいな”と思いました。

今回の現場は本当に刺激的でした。森くんや吉田くんはアーティスト活動をやりながらだと思うのですが、みんな芝居が好きなんだなと思いながら見ていました。なんかいいですよね…若いって(笑)。

森くんが所属しているBUDDiiSは、ドラマのオンエア時期に武道館ライブを行うんですよね。朗読劇では、岩尾(春輝)くんと西田(祥)くんとご一緒させていただいたのですが、皆さんそれぞれ個性があってかわいらしいですよね! でも、森くんってその中でも役者っぽい方だなと思いました。お芝居を見ていて“芝居が好きなんだろうな”と強く感じたんです。

――皆さんからお芝居についての相談はあったのですか?

いやいや、ないですよ! 何も返せることがないですから…だって、相手は武道館に立つアーティストですよ!? そういう話も撮影の合間に聞いたりしたのですが、いわゆる用語的なものを全然知らないくせして「セットリストとかもうできているの?」とか言ってみたりするんですけど、そこから全然話が広げられなかったですね(笑)。

■家事は「向き合わなきゃいけないものと向き合うきっかけになる」

――本作でオサムは原稿の執筆に行き詰まり、缶詰になって書き上げようとホテルへやって来ますが、眞島さんが仕事で行き詰ったときはどうされていますか?

ドラマの撮影期間中に追い詰められるシチュエーションって、せりふ量がたくさんあるのに本がギリギリになって前日に渡されるとき…とかですよね。やるしかないにしても、時間が深かったり、朝早くから移動となると、大声出して練習することもあります(笑)。

僕は声に出してせりふを覚えるタイプなのですが、役者同士でも「どうやって覚えているの?」という話になるんです。中には、数回読んだだけですぐに覚えられるタイプの方もいますけど、ほとんどの人がそうじゃないので。

少し厄介なのが、時間に余裕があるから前もってできるとは限らないんですよね(笑)。ほどよく追い詰められた方が、意外と覚えやすいのかもしれません。

――ドラマタイトルにちなんで、ご自身の「ROOM」のこだわりがあれば教えてください。

大したこだわりじゃないのですが、自分の家が散らかっているのが嫌なので、1日に2回、3回と掃除機をかけたりします。

細かなゴミが落ちているのも気になりますし、動物を飼っているというのもあるのか、掃除機をかけている方が精神的にも健全でいられるというか、向き合わなきゃいけないものと向き合うきっかけになるんです。

あとは洗濯もよくしちゃいます。溜まっていくのが嫌なので、ずっと家にいる日があると現実逃避じゃないですけど家事をこまめにして、結果的に自分の役者スイッチを入れています。

――最後にドラマの見どころと読者へのメッセージをお願いします。

ドラマ全体としては、「若い子たち」と表現すると何だか上から目線な言い方になってしまうのですが、群像劇ですので若いキャストたちの芝居を見ていただければと思います。

そして、眞島個人の見どころとしては、ドラマの後半で僕が犬になるところが出てくるんです。そこはかなりこだわって演じたので、ぜひ注目していただければと思います!

取材・文=たくあんとほたて/撮影=加藤翔/衣装協力=suzuki takayuki