【コラム】「快進撃」支える好走塁、放送席から絶叫/岡拓哉

AI要約

新潟代表の新潟産大附が夏の新潟大会で驚異的な勝ち上がりを見せ、甲子園初戦に臨む。

チームは堅守、攻撃力、継投策を武器に勝利を収め、特に積極的な走塁が光った。

キャプテンの好走塁がチームの執念を示し、甲子園デビューを飾る新潟産大附の高まる期待感。

【コラム】「快進撃」支える好走塁、放送席から絶叫/岡拓哉

 新潟代表の新潟産大附が甲子園で9日、初戦を迎える。この夏の新潟大会での勝ち上がり方は驚異的だった。ノーシードながら、新潟明訓、中越、日本文理を次々と破り、決勝戦(7月26日)では第1シード・帝京長岡に競り勝った。

 「強豪撃破の快進撃!!」

 新潟大会優勝決定の瞬間、このミラクルな勝ち上がりを実況アナウンサーとしてそう表現した。

 快進撃はなぜ生まれたのか。6試合で3エラーの堅守や下位打線でも得点できる攻撃力、思い切った継投策……。中でも光ったのは、勝負どころでの積極的な走塁だった。

 決勝戦での新潟産大附5回の攻撃、3点をリードして2塁には俊足のキャプテン平野。帝京長岡の外野陣は、もう1点も許さないという前進守備。ここで5番・川口の鋭い当たりがレフト前に抜けるが、打球のスピードと外野の前進守備を考慮すると、2塁ランナーがホームにかえるのは難しい。3塁コーチャーもランナーを止める姿勢に入った。しかし平野は、トップスピードで3塁ベースを蹴っていた。

 「回った回った回った! 還ってきたーー!!」

 驚きを隠せず、思わず絶叫してしまった。初の甲子園出場を大きく手繰りよせたキャプテンの好走塁。1点への執着と勝利への執念。貫いてきた自分たちの野球へのゆるぎない確信に、ノーシードから勝ち上がってきたチームの真価を見た。

 甲子園での初戦の相手は、5年ぶり8回目の出場となる埼玉代表の花咲徳栄。2017年夏には、全国制覇を成し遂げた強豪だ。

 新潟産大附の吉野公浩監督は、今年のチームを「一度波に乗ったら面白い」と表現していた。

 「強豪撃破の快進撃!!」

 聖地でも、その波はおさまらない予感がする。(新潟テレビ21アナウンサー)