タル・ベーラ監督『サタンタンゴ』30周年記念上映決定 『アウトサイダー』など4作品も

AI要約

タル・ベーラ監督作『サタンタンゴ』の製作30周年を記念して、10月25日よりシネマート新宿で1週間限定上映が決定。

本作は、経済的に行き詰まる村を舞台に、死んだはずの男イミリアーシュが帰還し、村人が惑いと疑心暗鬼になる様を描く7時間18分の長編。

製作30周年を記念した新ビジュアルも公開され、終末感漂うシーンが描かれている。

『サタンタンゴ』上映に合わせて、ベーラ監督の『ファミリー・ネスト』、『アウトサイダー』、『ダムネーション/天罰』、『ヴェルクマイスター・ハーモニー』の4作品も順次上映される。

これら作品は、ベーラ監督の異色のキャリアや作風を垣間見ることのできる貴重な作品群。

上映作品の中で、ベーラ監督のデビュー作から他の代表作まで幅広いジャンルや時代背景を反映した作品が観られる。

タル・ベーラ監督『サタンタンゴ』30周年記念上映決定 『アウトサイダー』など4作品も

 タル・ベーラ監督作『サタンタンゴ』の製作30周年を記念して、10月25日よりシネマート新宿にて1週間限定上映されることが決定した。

 56歳という若さで映画監督からの引退を表明したタル・ベーラが1994年に発表した本作は、ハンガリーのある村を舞台に、死んだはずの男イミリアーシュが帰還し惑わされる村人の姿を描く物語。完成までに4年の歳月を要した、7時間18分に及ぶ長編作品だ。

 経済的に行き詰まり、終末的な様相を纏っている、ハンガリーのとある村。降り続く雨と泥に覆われ、村人同士が疑心暗鬼になり、活気のないこの村に死んだはずの男イミリアーシュが帰って来る。彼の帰還に惑わされる村人。イミリアーシュは救世主なのか、それとも……。

 あわせて、製作30周年を記念した新ビジュアルも公開。横たわる少女と、それを囲み、疲れ果てた様子で見下ろす村人たちの姿が。終末感が漂う、物語のターニングポイントとなるシーンが、スクリーンと同じ横位置にレイアウトされたビジュアルとなっている。

 さらに、『サタンタンゴ』の上映に合わせて、ベーラ監督が手がけた『ファミリー・ネスト』(1977年)、『アウトサイダー』(1981年)、『ダムネーション/天罰』(1988年)、『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(2000年)の4作品が、11月1日よりシネマート新宿にて順次上映されることも決定した。

 『ファミリー・ネスト』は、16ミリカメラを用いてドキュメンタリータッチで撮影された、ベーラ監督のデビュー作。「映画で世界を変えたいと思っていた」とベーラ監督自身が語る通り、ハンガリー社会の苛烈さを描いている。

 『アウトサイダー』は、ベーラ監督の第2作目にして、カラー作品。本作以降すべての作品で編集を担当するフラニツキー・アーグネッシュが初参加した。

 『ダムネーション/天罰』は、クラスナホルカイ・ラースローが初めて脚本を手がけ、音楽を担当したヴィーク・ミハーイと共に、“タル・ベーラ スタイル”を確立させた記念碑的作品。

 『ヴェルクマイスター・ハーモニー』は、ハンガリーの荒涼とした田舎町を舞台に、天文学が趣味のヤーノシュを通して描かれる、全編わずか37カットという長回しで撮影された“漆黒の黙示録”。