久本雅美「お笑い女優としての作品を」…WAHAHA本舗創設40年、NG一切なし

AI要約

WAHAHA本舗が40周年記念全体公演「シン・シンワハハ40」を開催。放送禁止のネタも披露し、常にお客様の笑顔を第一に考える姿勢を貫く。

久本雅美は40年の舞台でコンプライアンスの厳格化や結婚について語る。結婚に関しては自然な流れに身を任せ、ひとり芝居など新たな挑戦にも意欲を示す。

結成から40年を迎えるWAHAHA本舗は常に時代の変化に合わせて表現を変化させつつも、独自の世界観を貫く。久本雅美の個人的な結婚観やコンプライアンスに対する意見も含まれている。

久本雅美「お笑い女優としての作品を」…WAHAHA本舗創設40年、NG一切なし

 創設40年を迎えたWAHAHA本舗が、WAHAHA本舗40歳記念全体公演「シン・シンワハハ40」を開催。大阪・森ノ宮ピロティホールでの大千秋楽(12月14、15日)まで、全国16カ所27公演を回る。過激なネタが“放送禁止”となることもあるが、看板俳優の久本雅美(66)は「お客さまに喜んでいただけるならなんでもする」と言い、舞台でのNGは一切ない。記念公演に意気込む久本に、昨今のコンプラや結婚観などを聞いた。【阪口孝志】

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 84年に主催・演出の喰始(たべ・はじめ)、柴田理恵らと旗揚げ。「アッという間」に40年がたった。

 過激で下ネタも多い。テレビでは放送禁止になるようなこともやり続けてきたのは、「見続けてくれるコアなお客さまがいる。お客さまあってこその舞台、劇団」という思いがあったから。WAHAHA本舗にしかできない独特の世界観を表現し続けてきた。

 40年でコンプライアンス規制は、より強まる方向に進んだ。地上波ではおもしろいことができないと、YouTubeなど、動画配信の世界に表現の場を変える演者も増えた。

 「ロケに行っても、クレームがあると『やめときましょう』ってなる。あれ、おもしろいなって思うものが『誤解されたら(どうしよう)』とバサバサ切られて、普通にしゃべってるだけになる。もったいないし、残念って思うこともあるけど、コンプラで守ってもくれてる。なんとも言えないジレンマがありますよ」

 昔は笑い話だった“武勇伝”の類いの話は「今じゃ捕まる」。番組のMCをしていても、気を使ってしゃべりが鈍くなることもあるというが「良い悪いは別。まともな世の中にはなったんでしょうけどね」。

 時代に合わせて表現の仕方を変化しながら「舞台は自分たちの世界なので、イエスかノーかは来てくださった人たちが決めてくれる。舞台は舞台の世界観なので、コンプラは気にしてない」。変化が悪いことではないし、やりたいことは貫いている。

 久本は独身であることをたびたびネタにしているが、40年で恋愛を取り巻く環境も変わった。芸能界入りしたころは、「結婚したら人気がなくなる」という時代だった。

 お笑いを真剣にやろうと思い「10年間は恋愛はやらんとこかと思った時期がありました。結婚願望もなかったし、どうしても、おもろなりたかったから」。恋愛と仕事、どちらを取るかと言われれば「100%仕事!」と芸に打ち込んだ。

 ただ、「結婚はしない主義」と決めつけているわけでもない。

 「80歳になってもまだ言うてるかもしれへん。人生分からないから、絶対結婚しませんっていう主義ではないんですよ。かといって、あこがれてるかと言われると分からないとしか言えない。言えることは今は誰もいないってだけ」

 実際には、写真週刊誌に「久本雅美『合い鍵お泊まり 熱愛』」と報じられたこともあった。

 「50代のころ…15年くらい前かな。お付き合いしてましたよ。でも、価値観が違ったのでお別れしました」

 66年の人生で結婚という未知の世界があるだけのことで、自然に身を任せている。

 「以前、黒柳徹子さんの徹子の部屋に出たときに、『結婚願望あります』って話したら、徹子さんも『私も!』っておっしゃって。かっこええなと思いましたよ。したくないならそれでいい。その人の生き方。私はしたくないとは1ミリも言ったことない。どこでどうなるか分からないし、人生のサプライズとして楽しみにしとこうって」

 今後はひとり芝居もやってみたいという。コメディエンヌとして「『久本と言えばこれ』というお笑い女優としての作品を残したい」。40周年は通過点に過ぎない。

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 ◆久本雅美(ひさもと・まさみ)1958年(昭33)7月9日生まれ、大阪市出身。81年、劇団「ヴォードビルショー」に入団。84年6月、劇団のメンバーだった柴田理恵らとWAHAHA本舗の結成に参加。85年「今夜は最高!」へのレギュラー出演を皮切りに、テレビのバラエティーへも進出し、活躍。日本テレビ系「秘密のケンミンショー極」などに出演中。血液型A。