朝ドラ登場「総力戦研究所」トレンドに 第2次大戦前「日本必敗」予想した機関にSNSも沈痛

AI要約

総力戦研究所が2日、インターネットのトレンドワードになった。NHK連続テレビ小説「虎に翼」の第90話で明かされた戦前の内閣直轄の組織である総力戦研究所についての秘密が登場人物によって告白された。

総力戦研究所は戦前のエリートたちが集められ、「総力戦体制」に向けた研究を行う組織であり、日本の第2次大戦への突入に繋がる結果をもたらしたことが明らかにされた。戦後には猪瀬直樹氏などによってその史実が描かれた。

エピソードがSNSで話題となり、多くの人が「総力戦研究所」について初めて知ることとなった。情報の共有や歴史の理解につながる良い機会となった。

 「総力戦研究所」が2日、インターネットのトレンドワードになった。

 この日放送されたNHK連続テレビ小説「虎に翼」(月~土曜午前8時)の第90話で、登場人物の1人で岡田将生演じる星航一が第2次大戦中に経験した、ある秘密について告白する中で登場したもの。航一は、自身が戦争を止められなかったことに責任を感じ、あふれる感情を吐露するというシーンだった。

 総力戦研究所は戦前の内閣直轄の組織で、各官庁や軍、民間企業などから若手のエリートたちが集められ、「総力戦体制」に向けた研究を行うために設立された機関。研究員たちは「模擬内閣」を組閣して日米対戦に向けた「机上演習」のシミュレーションを実施し、日本「必敗」を予想した。上層部にも報告されたが受け入られず、結果的に日本は第2次大戦に突入。敗戦への道をたどった経緯がある。

 現在は参院議員の猪瀬直樹氏が作家時代に記したノンフィクション小説「昭和16年夏の敗戦」でその史実を描くなど、戦後にさまざまな形で明らかにされている。航一のモデルは、初代最高裁長官三淵忠彦の長男、三淵乾太郎。

 SNSにはさまざまな反応が寄せられたが、初めて耳にしたという感想が多かった。「総力戦研究所に机上演習。知らなかった。すごい言葉」「朝ドラ…というか、日本のドラマで総力戦研究所の話が出てくるとは思ってなかったよ…」「そんな機関があったなんて知らなかった。『優秀な精鋭』何度シミュレーションしても負けると報告しても中枢は聞き入れず圧倒的不利な戦争を突き進んだ。この話を8月頭にもってくる意味を考えなければ 本当にまだまだ知らないことがたくさんある」「朝ドラでこうやって取り上げてくれるおかげで、調べるきっかけを与えてくれるのは救いである 総力戦研究所、自分も知らなかった」「権力の暴走は私達1人1人の不断の努力によって防がなければいけないとの思いを強くしました」などの反応が寄せられている。