高畑充希「ウイカちゃんや塩野さんが不安を吹き飛ばしてくれました」──「光る君へ」インタビュー~共演者とのエピソード編~

AI要約

定子が一条天皇との子を出産し、世を去る悲運に見舞われた。

定子を慕い続ける少納言の姿に胸を打たれる。

一条天皇との関係は複雑で、愛と保身的な感情が入り混じる。

高畑充希「ウイカちゃんや塩野さんが不安を吹き飛ばしてくれました」──「光る君へ」インタビュー~共演者とのエピソード編~

 NHK総合ほかで放送中の大河ドラマ「光る君へ」。まひろ(吉高由里子)が藤原道長(柄本佑)との子を出産し、宣孝(佐々木蔵之介)と共にわが子として育て始めたり、一条天皇(塩野瑛久)の中宮・定子(高畑充希)が、兄・伊周(三浦翔平)と弟・隆家(竜星涼)の不祥事によって出家を決断したり、思わぬ展開に息をのんだ方も多いのではないでしょうか。

 7月21日放送の第28回「一帝二后」ではなんと、定子が一条天皇との3人目の子を出産し、世を去ることに…。悲運に見舞われた定子ですが、一生を終えるまで、一条天皇に溺愛され、清少納言(ファーストサマーウイカ)に慕われ続けていました。愛情を注がれる役にどんな思いで臨んだのか、定子を出家に追い込んだ伊周の印象は? 定子役の高畑充希さんに聞いてみました。

――定子を慕い続ける少納言の姿には胸を打たれました。ファーストサマーウイカさんとの共演はいかがでしたか。

「ウイカちゃんは撮影でも撮影以外でも私をすごく“推して”くださったので、とても救われました。これまでは、何かに憧れたり、何かにエネルギーを持つ役が圧倒的に多かったんです。憧れられる役はほとんど初めてに近い経験でした。だから、憧れの目で見てもらえる人物像を演じなければならないことへの不安が大きくて。『こんな人物だったら推せないだろうと思われないように頑張らないと』と、とてもプレッシャーを感じていました。ウイカちゃんが“憧れの存在”として接してくれたことが私をすごく楽にしてくれたので、ソウルメイトのような役柄を演じることができて楽しかったです」

――少納言の書いた「枕草子」によって、定子は今でも“ウィットに富んでいて明るい人物”として知られています。

「『定子はそんなにひどい人じゃない!』と叫ぶよりも、文字で残すことにパワーがあるとは頭では分かっていたのですが、そこまで実感はなかったんです。だから、『枕草子』が誕生するシーンをオンエアで見た時に『こういう守り方があるんだな』と実感しましたし、少納言はなんてかっこいい女性なんだろうと思いました」

――一条天皇とはエモーショナルなシーンが印象的でした。

「一条天皇との関係はずっと複雑でした。最初の頃はかわいい弟分で、そこから男性として見るようになり愛し合って。その後は、『ただ好き』ではなく、『この人に見放されたら自分と子どもの行く当てがなくなり、終わってしまう』という保身的な感情も加わります。でも、一条天皇は愛一本勝負で来てくれる人。愛をもらうのはうれしいし、こちらも全力で応えたいけど、愛だけではないことも考えなければいけないという、混沌とした感情がありました」